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AIが採用する時代に、人事は何をするのか。

2026.07.31

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採用コラム

Written by

山本理久

Piic Magazine

「AIエージェントが、人に代わって仕事をする時代になる。」

そんなニュースを目にする機会が、この一年で一気に増えました。


求人票を書き、スカウト文面を作成し、面接日程を調整する。応募者の情報を分析し、候補者との相性まで予測する。少し前までは「未来の話」だったことが、いまは現実になり始めています。採用に携わる人であれば、一度はこう考えたことがあるかもしれません。

「これから、人事の仕事はAIに置き換わるのだろうか。」

私自身も、最初はそんなことを考えました。でも、採用の現場でAIを使えば使うほど、逆に一つのことがはっきりしてきました。AIが得意なのは、答えを導くこと。人が担うべきなのは、問いをつくること。AIは膨大な情報を処理できます。

どの求人媒体が適しているのか。

どんなスカウト文面が開封されやすいのか。

どの候補者が条件に合っているのか。

こうした「最適解」を見つける力は、これからますます人を上回るでしょう。だからこそ、「AIを使うかどうか」を議論する時代ではありません。どう使いこなすかが問われる時代です。


一方で、採用の現場には、数字やデータだけでは測れないものがあります。私は企業へのヒアリングで、「どんな人を採用したいですか」と質問することがあります。すると、「明るい人」「主体性がある人」「コミュニケーション能力が高い人」といった答えが返ってくることが少なくありません。もちろん、それも間違いではありません。でも、本当に知りたいのは、その言葉の奥にある理由です。


なぜ、その人が必要なのか。

その人が入社したら、組織はどう変わるのか。

社長はどんな未来を描いているのか。


そこには、数字では表せない想いがあります。会社ごとに違う歴史があります。そして、働く人それぞれの人生があります。私は、この「想い」や「感情」こそが、人にしか扱えない領域だと思っています。


AIは、言葉を整えることができます。
しかし、その会社で働く意味まで、心から実感して語ることはできません。

AIは、面接の質問を提案できます。
でも、応募者が少し表情を曇らせた理由を感じ取り、「何か気になることがありましたか」と問いかけることは、人だからこそできることです。


採用は、情報を交換する仕事ではありません。
信頼をつくる仕事です。だからAIが進化するほど、人事に求められる役割は、むしろ変わっていくのではないでしょうか。


求人票を書く人ではなく、会社の想いを言葉にできる人。
選考を進める人ではなく、候補者の不安や期待に寄り添える人。
制度を運用する人ではなく、組織の文化を育てられる人。


そうした役割の価値は、これからさらに大きくなるはずです。私たちPiicも、AIを積極的に活用しています。原稿作成のたたき台をつくることもありますし、市場分析や情報収集のスピードは以前とは比べものになりません。だからこそ、人が時間を使うべき場所も変わりました。


作業ではなく、対話に。

処理ではなく、思考に。

効率ではなく、本質に。


AIが得意なことはAIに任せる。その先で、人は何に時間を使うのか。

そこに、これからの採用担当者の価値があるように思います。私は採用の仕事とは、「人を採ること」ではなく、「未来をつくること」だと考えています。未来は、データだけでは設計できません。そこには、「どんな会社にしたいのか」という意思が必要と考えています。そして、その意思に共感した人が集まって初めて、組織は前に進みます。


AIは、その歩みを速くしてくれる存在にはなっても、歩く理由までは決めてくれません。だから、これからのHRに必要なのは、「AIに何を任せるか」を考えること以上に、「人にしかできないことは何か」を問い続けることなのだと思います。


あなたの会社では、AIによって空いた時間を、何に使いますか。
その答えが、これからの採用の質を決めるのかもしれません。

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