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給料で勝てない会社は、採用を諦めるべき?

2026.10.02

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採用コラム

Written by

山本理久

Piic Magazine

「同じような求人なのに、あの会社のほうが給料が高い。」

採用の現場にいると、そんな声を聞くことがあります。
特に人材不足が進む今、候補者が複数の会社から内定をもらうことも珍しくありません。
仕事内容も大きく変わらない。 勤務地も近い。休日も同じくらい。それなら、最後に比較されるのは「給料」になる。

これは、ある意味当然のことだと思います。

企業側からすると、「うちは給与では大手に勝てない」と悩む。では、給料で勝てない会社は、採用でも勝てないのでしょうか。

私は、そうは思っていません。

ただし、ここで一つ大事なことがあります。
「給料以外の魅力を伝えればいい」という単純な話でもない。

給料は、会社を選ぶ理由の一つ。でも、それだけではない。

転職するとき、給与は非常に重要です。生活がある以上、当然です。

だから「うちは給料が低いけど、やりがいがあります!」と言われても、正直響かない。私だったら、まず「給料を上げる努力をしていますか?」と聞きたくなります。

採用において、給与条件から逃げる必要はありません。

むしろ、自社の給与水準を正しく理解したうえで、「それでも、この会社を選ぶ理由は何か」を考えることが大切なんだと思います。

私が今これを書いている間に頭の中で思い浮かんだのは、

「若いうちから大きな仕事を任せてもらえる」
「経営者との距離が近い」
「自分の仕事が会社の成長に直結する」
「特定の領域で専門性を身につけられる」
「一緒に働く人が魅力的」
「地域や社会に大きな価値を提供している」

こうしたものは、給与明細には書かれていません。でも、人によっては給与と同じくらい、あるいはそれ以上に大切なものになります。

「選ばれる理由」は、会社によって違う

ここで重要なのは、すべての会社が同じ魅力を持つ必要はないということです。大手企業には、大手企業だからこその安心感があります。

給与や福利厚生で勝てる会社もある。一方で、中小企業には中小企業だからこそ持てる強みがあります。

意思決定が早い。社長と直接話せる。若手でも裁量を持てる。新しい事業に関われる。自分の仕事が組織に与える影響が大きい。

「会社の成長=自分の成長」と感じられる環境もあるでしょう。

大切なのは、他社と同じ土俵で戦うことではありません。

自分たちは、どの土俵なら勝負できるのか。

そこを突き詰めて、考えることです。

採用で苦戦している企業ほど、「給与」「休日」「福利厚生」など、求人票に並んでいる項目だけで他社と比較してしまうことがあります。

でも、候補者が本当に知りたいのは、「結局、ここで働くと自分はどうなるの?」ということなのではないでしょうか。

「選ばれる理由」は、つくるものでもある

以前の私は、企業の魅力は「すでに会社の中にあるもの」だと思っていました。良い会社には良い魅力があって、それを求人広告で伝える。そんなイメージです。

でも、Piicで自分たち自身がゼロから会社をつくる側に立って、少し考え方が変わりました。魅力は、最初から完成しているものではないなと。会社がこれから何を目指すのか。その未来そのものを魅力にすることもできる。

「今はまだ小さい。でも、これからこんな会社をつくる。」
「この事業を、ここまで大きくしたい。」
「その未来を、一緒につくる仲間を探している。」

これは、完成された大企業にはない魅力かもしれません。会社の現在だけではなく、会社の未来に共感してもらう。

そう考えると、採用は少し違って見えてきます。

給料で勝てないなら、「なぜここなのか」を考える

採用市場では、企業も候補者から選ばれています。だからこそ、給与だけで勝負すると、必ずどこかで限界が来ます。

上には、もっと給与を出せる会社がある。
もっと休みが多い会社もある。
もっと知名度のある会社もある。

では、すべての会社がそこに合わせなければならないのか。

私は、そうではないと思っています。

必要なのは、「うちの会社で働く理由は何なのか」を徹底的に考えること。

そして、それをきれいな言葉にするだけではなく、実際の職場で体現することです。

「挑戦できる会社」と言いながら、失敗すると怒られる。
「人を大切にする会社」と言いながら、社員の努力を見ていない。
「若手が活躍できる」と言いながら、何も任せてもらえない。

これでは、どれだけ求人広告で魅力を語っても、いつか候補者に見抜かれてしまいます。

上手く入社まで辿り着いたとしても、定着し成長して活躍してくれる人材になるのか。

だから採用は、広告だけでは完結しません。会社そのものを変えることこそが、採用活動の一部だと私は捉えています。

「給料で勝てない」

その言葉の裏側には、本当は別の問いがあるのかもしれません。

「それでも、この会社を選ぶ理由は何だろう?」

もし、その答えがすぐに出てこないのであれば、採用手法を変える前に、自分たちの会社を見つめ直す必要があるのかもしれません。

そしてもし、その答えが見つかったなら。次に考えるべきは、それをどう伝えるかです。

採用とは、条件の良い会社が勝つゲームではない。

「この会社で働く意味」を、企業と候補者の間で見つけること。

私は、そんな採用のあり方があってもいいと思っています。

あなたの会社は、給与以外に何で選ばれる会社でしょうか。そして、その「選ばれる理由」を、社員自身が語れるでしょうか。

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