Contact

Knowledge

人事の立ち上げ手順とは?失敗しないステップとポイントを完全解説

2026.09.15

|

Knowledge

Piic Magazine

企業の成長に伴い人事部門の必要性を感じつつも、「何から手をつければいいかわからない」と手探り状態になっていませんか。
この記事を読めば、自社のフェーズに合わせた人事機能の構築ロードマップを策定し、採用や制度設計といった最初の一歩を具体的に踏み出せるようになります。
人事の立ち上げとは、単に担当者を置くことではなく、企業の成長を支える基盤を戦略的に築く活動です。

立ち上げ時に発生しがちな失敗を避け、成功に導くためのステップとポイントを解説します。

なぜ今、人事の立ち上げが重要なのか?優秀な人材から選ばれなくなる時代へ

近年、多くの企業で人事部門の立ち上げや強化が急務となっています。
その背景には、単なる人手不足だけでなく、労働市場や働く人の価値観の大きな変化が存在します。

立ち上げ時にこれらの変化を理解しておくことは、持続的な企業成長の基盤を築く上で不可欠です。
これからの時代、戦略的な人事機能を持たない企業は、優秀な人材から選ばれなくなるリスクに直面します。

生産年齢人口の減少で激化する採用競争

日本の生産年齢人口(15~64歳)は減少の一途をたどっています。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2023年の約7,395万人から2030年には約7,076万人まで減少する見込みです。今後、企業にとって人材獲得競争はさらに激しくなることが予想されます。
したがって、従来のような求人広告を出すだけの待ちの姿勢では、必要な人材を確保することは困難です。

そこで企業側から積極的に自社の魅力を発信し、候補者に「選ばれる」ための戦略的な採用活動が求められるようになりました。

Z世代が重視する「企業の存在意義」への対応

Z世代と呼ばれる若手層は、給与や待遇といった条件面だけでなく、企業の理念や社会的な存在意義(パーパス)を重視する傾向が強いです。
ある調査では、Z世代の78%が「企業の存在意義」を就職の重要要素と回答しています。

彼らの共感を得るためには、自社が何のために存在し、社会にどのような価値を提供しようとしているのかを明確に言語化し、一貫したメッセージとして伝える採用ブランディングの視点が不可欠です。

「補填」から「企業成長を牽引する戦略」への転換

従来の人事は、欠員が出たら補充するという「補填」の役割が中心でした。
しかし、変化の激しい現代においては、人事を経営戦略と連動させ、事業成長を人材の側面から牽引する「戦略人事」へと役割を変革する必要があります。
事業計画を実現するためにどのような人材が必要かを定義し、採用、育成、配置、評価といった一連の人事機能を戦略的に設計・運用することが、企業の競争力を左右する重要な要素となっています。

このように変化する外部環境と内部からの要請に応えるため、人事の立ち上げは具体的なステップに沿って計画的に進めることが重要です。

人事立ち上げを成功に導く7ステップの全貌

人事の立ち上げを場当たり的に進めると、後々のトラブルや手戻りの原因となります。
成功確率を高めるためには、体系立てられたステップに沿って進めることが不可欠です。
立ち上げ時には、現状分析から改善サイクルの確立まで、大きく7つのステップで全体像を捉え、一つずつ着実に実行していくことが求められます。

ここでは、その7つのステップの全貌を解説します。
まずは最初のステップとして、自社がどこにいて、どこへ向かおうとしているのかを正確に把握することから始めます。

ステップ1:組織の現状を把握し、人事部門の目的を明確にする

人事立ち上げの第一歩は、自社の現状を客観的に把握し、人事部門が何を目的として機能すべきかを定義することです。
経営の目指す方向と現場の抱える課題の両方を理解することで、人事戦略の軸が定まります。
この初期設定が曖昧なまま進むと、施策が的外れなものになりかねません。

経営層へのヒアリングで事業戦略との連携を図る

まず、経営層に対して事業の方向性や将来のビジョンについて深くヒアリングします。
「5年後に売上を1.5倍にする」「新規事業を立ち上げる」といった事業戦略を実現するために、どのような人材が、いつまでに、何人必要なのかを具体的にすり合わせることが重要です。

このプロセスを通じて、人事部門のミッションが「経営目標の達成に貢献すること」であると明確に位置づけ、求人活動の前提となる人材要件を定義します。

従業員アンケートで潜在的な課題を洗い出す

経営層の視点だけでなく、現場で働く従業員の意見も重要です。
匿名のアンケートなどを実施し、人事評価、労働環境、人間関係、キャリアパスなどに関する本音を引き出します。
これにより、経営層からは見えにくい潜在的な課題、例えば「評価基準が不明確でモチベーションが上がらない」「育成の仕組みがなく成長実感がない」といったリアルな問題点を可視化できます。

よくある失敗:目の前の欠員補充だけが目的になってしまう

人事立ち上げで陥りがちな失敗は、目の前の欠員を埋めることだけが目的化してしまうことです。
採用担当者が日々の応募者対応に追われ、中長期的な組織課題の解決が後回しになるケースは少なくありません。
現状分析を丁寧に行い、人事部門の目的を「事業成長への貢献」と定めることで、短期的な採用活動と並行して、制度設計や組織開発といった本質的な課題に取り組む視点を持ち続けることができます。

組織の現状とゴールが明確になったら、次はそのゴールに至るまでの具体的な道のりを描いていきます。

ステップ2:人事の役割と具体的な実行計画(ロードマップ)を策定する

現状と目的が明確になったら、次に人事部門が担うべき役割を具体的に定義し、優先順位をつけた実行計画、すなわちロードマップを作成します。
限られたリソースの中で最大限の効果を出すためには、何から着手し、いつまでに何を実現するのかを計画に落とし込むことが不可欠です。

「攻め」と「守り」の人事業務を整理する

人事業務は、大きく二つに分類できます。
一つは、採用、育成、配置、評価制度の設計など、企業の成長を直接的に促進する「攻め」の業務です。
もう一つは、労務管理、勤怠管理、給与計算、コンプライアンス遵守など、組織の土台を支え、法的リスクを回避する「守り」の業務です。

立ち上げ期には、この両輪をバランス良く回す視点が重要であり、どちらか一方に偏らないように業務範囲を整理します。

【企業規模別】優先すべき業務の判断基準

優先順位は企業の規模やフェーズによって異なります。
30人規模:まずは「守り」が最優先です。労働関連法規を遵守するための労務管理体制の構築(就業規則、雇用契約書、勤怠管理など)から着手します。採用は経営者が中心となり、リファラル採用などが主体となることが多いです。

30〜50人規模:「30人の壁」を越えると、組織の一体感が薄れ始めます。「守り」の基盤を固めつつ、「攻め」の採用体制構築や、シンプルな評価制度の導入を検討し始める時期です。
50人〜規模:「50人の壁」に直面し、部門間の連携不足や理念の形骸化といった課題が顕在化します。採用の仕組み化に加え、本格的な等級・評価・報酬制度の設計や、教育研修体系の構築といった「攻め」の施策の重要性が高まります。

補足情報:人事担当者の役割分担とKPI設定

ロードマップには、各施策の担当者と具体的な目標(KPI)も設定します。
例えば、「採用」であれば「採用単価」「内定承諾率」、「労務」であれば「各種手続きのミス発生率」「従業員からの問い合わせ対応時間」などが考えられます。
一人で全てを担う場合は、四半期ごとに注力するテーマを分けるなど、現実的な計画を立てることが成功の鍵です。

計画が定まったら、まずは企業の根幹を支える「守り」の体制構築から着手します。

ステップ3:法的リスクを回避する「守り」の労務管理体制を構築する

PC 分析 バナー

組織の土台となるのが、コンプライアンスを遵守し、従業員が安心して働ける環境を整備する「守り」の労務管理です。
この基盤が脆弱なまま事業を拡大すると、後々大きな労務トラブルに発展しかねません。
求人活動を本格化させる前に、まずは法的に定められた義務を確実に履行する体制を整えることが最優先です。

就業規則や各種規程の整備と届け出

常時10人以上の労働者を使用する事業場では、就業規則の作成と労働基準監督署への届け出が義務付けられています。
労働時間、休日、賃金といった基本的な労働条件を明記するだけでなく、服務規律や休職、懲戒に関するルールも定めます。
他にも、賃金規程や育児・介護休業規程など、会社の状況に応じて必要な規程を整備し、従業員に周知徹底することが重要です。

勤怠管理・給与計算のフローを確立する

労働時間を客観的な方法で正確に把握し、それに基づいて残業代を含む給与を正しく計算・支給するフローを確立します。
手作業での管理はミスや不正の温床になりやすいため、早い段階で勤怠管理システムや給与計算ソフトを導入することを推奨します。
法改正への対応や計算の自動化により、業務効率化とコンプライアンス遵守を両立できます。

社会保険・労働保険の手続きを漏れなく行う

従業員の入退社に伴う健康保険、厚生年金保険(社会保険)、雇用保険、労災保険(労働保険)の資格取得・喪失手続きは、法律で定められた重要な業務です。
立ち上げ時には手続きの漏れや遅延が発生しやすいため、チェックリストを作成したり、社会保険労務士などの専門家にアウトソーシングしたりすることも有効な手段です。
これらの手続きを確実に行うことが、従業員の信頼の基礎となります。

健全な組織運営の土台が固まったところで、次はいよいよ事業成長のエンジンとなる「攻め」の採用体制構築に進みます。

ステップ4:事業成長に貢献する「攻め」の採用体制を構築する

「守り」の労務管理体制が整ったら、次は事業成長を直接的に牽引する「攻め」の採用体制を構築します。
立ち上げ時の採用活動は、単に欠員を補充するのではなく、未来の組織を創るための重要な投資です。
事業計画と連動した戦略的な採用活動を展開することで、企業の成長を加速させる優秀な人材を獲得します。

事業計画から逆算した採用ターゲット(ペルソナ)を定義する

採用活動の出発点は、事業計画を実現するために「どのようなスキル、経験、志向性を持った人物が必要か」を明確にすることです。
現場の部署や経営層と議論を重ね、具体的な人物像(ペルソナ)として詳細に描き出します。
年齢や経歴といった表面的なスペックだけでなく、カルチャーへのフィット感や将来のポテンシャルまで踏み込んで定義することで、採用のミスマッチを防ぎます。

関連記事:採用におけるペルソナの作り方|5ステップで学ぶフレームワークとフォーマット【項目例付】

ペルソナ ターゲット バナー

求職者から「選ばれる理由」となる自社の魅力を言語化する

採用市場が売り手市場である今、企業は求職者から「選ばれる」存在にならなければなりません。
立ち上げ時には、自社のビジョン、事業の独自性、働く環境、社員の魅力などを洗い出し、ターゲットに響く「選ばれる理由」を明確に言語化することが重要です。
この魅力の言語化が、求人票の作成から面接でのアピールまで、採用活動全体の核となります。

「言葉・視覚・体験」で一貫性のある選考プロセスを設計する

Piic オフィス 事務所

言語化した自社の魅力は、一貫したメッセージとして求職者に届ける必要があります。
立ち上げ時には、求人サイトで使う「言葉」、会社説明資料やWebサイトのデザインといった「視覚」、そして面接やオフィス見学などの「体験」の3つの要素すべてにおいて、伝えたいブランドイメージにブレがないかを確認します。
この一貫性が、求職者の共感と信頼を生み出し、入社意欲を高めることに繋がります。

優秀な人材を採用した後は、彼らが組織に定着し、最大限のパフォーマンスを発揮できる仕組み作りが求められます。

ステップ5:社員の定着と成長を促す人事制度を設計する

優秀な人材を採用できても、その人材が定着し、継続的に成長できる環境がなければ組織力は向上しません。
立ち上げ時には、従業員の貢献度を正しく評価し、成長を促し、モチベーションを維持するための人事制度を設計することが極めて重要です。
透明性と公平性のある制度は、従業員のエンゲージメントを高める基盤となります。

納得感を醸成する評価制度の基本要素

評価制度の目的は、従業員の序列をつけることではなく、企業の目標達成と個人の成長を連動させることです。
立ち上げ時には、まず会社のビジョンや目標を部署や個人の目標に落とし込む「目標設定」、期中での進捗確認や支援を行う「中間面談」、そして期末に結果とプロセスを振り返る「評価・フィードバック」という一連のサイクルを設計します。

評価基準を明確にし、評価者によるブレをなくすための研修も重要です。

モチベーションを高める報酬・等級制度の考え方

報酬・等級制度は、評価制度と連動させ、従業員の貢献や成長が報われる仕組みとして設計します。
立ち上げ時には、従業員に求める役割や責任の大きさに応じて等級を定義し、各等級に期待される行動や成果を明確にします。

その上で、評価結果が昇給や賞与にどのように反映されるのか、透明性の高いルールを定めます。
これにより、従業員はキャリアパスをイメージしやすくなり、目標達成への意欲が高まります。

新入社員の即戦力化を実現するオンボーディングプログラム

新入社員が早期に組織に馴染み、能力を発揮できるように支援する仕組みがオンボーディングです。
入社手続きや備品準備といった受け入れ体制の整備はもちろん、企業理念や文化の共有、業務に必要な知識・スキルの研修、メンター制度による精神的なサポートなどを計画的に実施します。
特に立ち上げ期は、入社後のフォローが手薄になりがちですが、丁寧なオンボーディングは早期離職の防止に直結します。

制度が完成したら、次はその制度を組織に根付かせるための運用フェーズへと移行します。

ステップ6:策定した制度を社内に浸透させ、運用を開始する

どんなに素晴らしい人事制度を設計しても、それが従業員に理解され、正しく運用されなければ意味がありません。
制度は「作って終わり」ではなく、社内に浸透させて初めて機能します。

従業員の納得感を得て、制度が本来の目的通りに機能するように、丁寧なコミュニケーションと準備が必要です。

従業員への説明会を実施し、疑問や不安を解消する

新しい人事制度を導入する際は、全従業員を対象とした説明会を実施します。
制度改定の背景や目的、具体的な内容、そして従業員にとってどのようなメリットがあるのかを丁寧に説明することが重要です。

一方的な説明で終わらせず、質疑応答の時間を十分に設け、従業員が抱える疑問や不安をその場で解消することで、制度への信頼と理解を深めることができます。

管理職向けの研修を行い、制度運用のキーマンを育成する

人事制度、特に評価制度の運用においてキーマンとなるのは、部下の評価を行う管理職です。
管理職が制度の目的を正しく理解し、評価基準に沿った公平な評価や、部下の成長を促すフィードバックができるよう、専門の研修を実施します。
目標設定の方法、面談の進め方、部下への伝え方など、具体的なスキルを身につけてもらうことが、制度の形骸化を防ぎ、運用を成功させる鍵となります。

制度の運用が始まったら、その効果を定期的に検証し、改善していく仕組みを構築します。

ステップ7:定期的な効果測定と改善サイクルを確立する

piic

人事制度は一度導入したら終わりではなく、組織の成長や外部環境の変化に合わせて常に最適な状態にアップデートしていく必要があります。
運用を開始した後は、定期的にその効果を測定し、改善を繰り返すPDCAサイクルを確立することが不可欠です。
データに基づいた客観的な評価と改善が、人事機能を進化させ続けます。

採用充足率や離職率など重要なKPIを設定する

人事施策の効果を客観的に測るため、重要な指標(KPI)を設定します。
例えば、採用活動であれば「採用充足率」「採用単価」「内定承諾率」、人材定着であれば「離職率」「エンゲージメントスコア」、育成であれば「研修後の理解度テストの点数」などが挙げられます。

これらの数値を定点観測することで、施策がうまくいっているのか、どこに課題があるのかを可視化します。

関連記事:採用広報のKPI設定方法|具体的な指標と失敗しないためのポイントを解説

関連記事:採用活動のKPIとは?設定方法と指標の具体例を解説|人事担当者向け

PDCAサイクルを回し、常に制度をアップデートする

設定したKPIを定期的にモニタリングし、計画通りに進んでいるかを確認します。
もし目標値に達していなかったり、新たな課題が見つかったりした場合は、その原因を分析し、改善策を立案して実行します。
このPDCAサイクルを継続的に回すことで、人事制度や施策は常に組織の実態に合ったものへと磨かれていきます。

完璧な制度を最初から目指すのではなく、改善を前提として運用を始めることが重要です。
これらのステップを力強く推進するためには、立ち上げを担う一人目人事の存在が極めて重要になります。

人事立ち上げの成否を分ける「一人目人事」の採用ポイント

piic

人事部門の立ち上げを成功させる上で、誰がその役割を担うのかは最も重要な要素の一つです。
「一人目人事」は、ゼロから仕組みを構築し、経営と現場の橋渡し役となるため、特定の専門性だけでなく、幅広いスキルと高い推進力が求められます。
適切な人材を見極めることが、立ち上げの成否を大きく左右します。

立ち上げ期の人事に求められる必須スキルとマインドセット

一人目人事には、採用、労務、制度設計といった幅広い業務を一人でこなせるジェネラリストとしての能力が求められます。
同時に、経営者の視点を持って事業計画を理解し、それを人事業務に落とし込める戦略的思考も不可欠です。
また、前例のない課題に対して自ら解決策を考え、周囲を巻き込みながら実行していく、強い当事者意識と行動力が何よりも重要になります。

採用チャネルごとのメリットとデメリット

一人目人事の採用には、主に以下のチャネルが考えられます。
人材紹介(エージェント):最も一般的な手法。人事経験者のデータベースから、要件に合った候補者を紹介してもらえます。成功報酬型でコストはかかりますが、効率的に候補者と出会える可能性が高いです。
ダイレクトリクルーティング:企業側から候補者に直接アプローチする手法。コストを抑えられ、自社の魅力を直接伝えられる一方、候補者の選定やスカウト文作成に工数がかかります。

リファラル採用:社員からの紹介。カルチャーフィットが見込める人材を低コストで採用できる可能性がありますが、人間関係が絡むため、不採用の場合の配慮が必要です。
立ち上げを全て自社の人材だけで行うのではなく、外部の専門家の力を借りるという選択肢も有効です。

自社だけで抱えない選択肢|外部の立ち上げ支援サービス活用の判断基準

Piic キックオフ 佐田さん

人事の立ち上げには専門的な知識と多くの工数が必要です。
特に専任の担当者を置くリソースがない場合や、高度な専門性が求められる領域については、無理に自社だけで完結させようとせず、外部の専門サービスをうまく活用することも有効な選択肢です。

適切なパートナーを見つけることで、立ち上げのスピードと質を大幅に向上させることができます。

コンサルティングやアウトソーシングを活用すべきケース

外部サービスの活用を検討すべきなのは、主に以下のようなケースです。
社内に専門知識を持つ人材がいない場合:複雑な人事制度の設計や、法的な専門性が求められる就業規則の作成などは、コンサルタントや社会保険労務士に依頼するのが安全かつ確実です。
リソースが圧倒的に不足している場合:給与計算や社会保険手続きといった定型的な業務は、アウトソーシングすることで、社内の担当者はより戦略的な業務に集中できます。

客観的な視点が欲しい場合:組織の課題分析や制度設計において、社内の人間だけでは見えにくい問題点を第三者の視点から指摘してもらうことで、より実効性の高い施策に繋がります。

専門サービスの選び方と注意点

外部サービスを選ぶ際は、価格だけで判断しないことが重要です。
自社の業界や企業規模での実績が豊富か、担当者との相性は良いか、どこまでを依頼し、どこから自社で対応するのかという役割分担が明確にできるか、といった点を確認します。
複数の会社から提案を受け、自社の課題解決に最も貢献してくれるパートナーを慎重に見極めることが求められます。

ここまで立ち上げの具体的なステップを見てきましたが、実際によく寄せられる質問についても確認しておきましょう。

よくあるご質問

人事の立ち上げに関して、多くの企業担当者が抱える共通の疑問があります。
ここでは、特によくある質問とその回答をまとめました。

人事部門の立ち上げは何人規模から必要ですか?

人事部門の立ち上げに、従業員数の明確な基準はありません。
しかし、経営者が採用や労務管理に時間を取られ始めたり、組織の一体感が薄れて評価や育成に関する従業員の不満が顕在化したりするなど、組織運営に課題が生じた時が検討を開始する一つの目安となります。
これらの兆候は、組織の成長スピードが鈍化するサインであり、放置すると従業員のモチベーション低下や離職に繋がりかねません。

そのため、特定の人数規模に達したからという形式的な理由で判断するのではなく、企業が成長を続ける上で人事面の課題が顕在化したタイミングこそが、本格的に人事部門の設置を検討すべき時期だと言えます。

人事の立ち上げを一人で行う場合の注意点は何ですか?

一人ですべての領域を担うため、完璧主義に陥らず、現実的な優先順位付けを徹底することが大前提となります。
特に経営層と現場の間に立つため孤独になりやすく、双方と密なコミュニケーションを取り、信頼関係を構築して協力を得られる体制づくりが不可欠です。
人事課題は特定個人の業務ではなく、組織全体の経営課題であるという共通認識を周囲と形成し、各部門を巻き込みながら進める推進力が求められます。

自分の知識だけで抱え込まず、社会保険労務士といった外部の専門家を積極的に活用し、客観的な視点を取り入れる柔軟性も成功の鍵となります。

人事立ち上げを外部に相談する場合、どのようなサービスがありますか?

人事立ち上げを外部へ相談する場合、サービスは大きく二つのタイプに分けられます。
一つは、人事戦略の策定や評価制度の設計といった、組織の根幹となる仕組み作りを支援するコンサルティングです。
専門家の知見を借りながら、自社の課題解決に最適な方向性を定める際に活用します。

もう一つは、給与計算や採用実務といった定型業務や専門業務を代行するアウトソーシングサービスです。
これにより社内のリソース不足を補い、担当者がより戦略的なコア業務へ集中できる体制を構築できます。
自社の課題が戦略の立案にあるのか、あるいは日々の業務実行にあるのかを明確にし、目的に合ったサービスを選択することが重要です。

人事の立ち上げには、どれくらいの期間を見込むべきですか?

企業の規模や目指す体制の複雑さによって変動しますが、基盤となる労務管理の整備から採用、評価制度の骨子策定まで、最低でも半年から1年程度の期間を見込むのが現実的です。
特に制度設計は現状分析や関係者との調整に時間を要するため、焦らず段階的に進める計画性が求められます。

立ち上げを担う人事担当者の目標設定や評価は、どのように行うべきですか?

立ち上げ期は短期的な成果が見えにくいため、採用人数といった結果指標だけでなく、仕組み構築の進捗度といったプロセスも評価対象に含めることが重要です。
経営目標と連動した活動計画の達成度を測ることで、担当者の貢献を正しく評価し、モチベーションを維持できます。

まとめ

人事の立ち上げは、企業の成長フェーズにおいて避けては通れない重要な経営課題です。
成功のためには、まず経営戦略と連動した人事の目的を明確にし、具体的なロードマップを描くことが不可欠です。
「守り」である労務管理の基盤を固めた上で、「攻め」の採用・制度設計へと進める計画的なアプローチが求められます。

立ち上げを担う人材の採用や、外部サービスの活用も視野に入れながら、自社の状況に合った最適な体制を構築することが、持続的な企業成長の鍵となります。

「選ばれる企業」へ変える採用ブランディングのご紹介

人事立ち上げの中でも特に重要かつ困難なのが、採用体制構築です。
単に求人を出すだけでは人が集まらない時代、求職者からこの会社で働きたいと選ばれるための戦略的な情報発信、すなわち採用ブランディングが不可欠です。

PiicInc.では、欠員補充のための採用ではなく、企業成長に繋げる採用を実現するため、事業戦略と連動した採用ブランディングをプロデュースしています。

Piic Inc.の採用ブランディングが選ばれる理由

PiicInc.は、企業の根幹にある価値を見出し、それを一貫したメッセージとして求職者に届けることで、ミスマッチのない採用と企業の成長を支援します。
多くの企業から選ばれる理由は、その独自の設計思想と実行力にあります。

過去と未来を繋ぎ、企業の核となる独自のストーリーを設計

私たちは、企業の「過去(創業の想いや大切にしてきた価値観)」と「未来(目指すべき理想の姿)」を深くヒアリングすることから始めます。
その二つを結びつけることで、他社には真似できない独自の物語、ブランドの核となるストーリーを構築します。
このストーリーが、求職者の共感を呼び、企業の理念にフィットする人材を引き寄せる強力な磁石となります。

「言葉・視覚・体験」の三位一体で一貫したブランドを構築

魅力的な採用ブランドは、ロゴやサイトを作るだけで完成するものではありません。
私たちは、想いを伝える「言葉(コンセプト・コピー)」、空気感を直感的に届ける「視覚(デザイン)」、そして選考プロセス全体でブレのない「体験」の3つの要素を高い次元で統合します。
スカウトから面接、入社後に至るまで、すべての接点で一貫したブランド体験を設計することで、求職者の信頼と入社意欲を最大化します。

事業成長から逆算した戦略的な採用活動をプロデュース

私たちの目的は、採用を「コスト」から「戦略投資」に変えることです。
事業戦略や経営課題から逆算し、企業の成長に本当に必要な人材像を定義。
そのターゲットに的確にアプローチするための戦略を設計し、採用サイトやパンフレットといったクリエイティブの制作から、実際の採用活動までをトータルでプロデュースします。

これにより、採用を消費ではなく、未来への資産に変えることを目指します。

Show all