カメラレンタルの会社から、“コンベンション・イベント企画運営の専門企業”へ
事業の進化と共に、ブランド認識にギャップが生まれていた
長年にわたりカメラ機材のレンタルサービスを展開していたことで、外部からは“カメラレンタルの会社”という印象が強く定着していました。しかし実際には、国際会議やシンポジウムといったコンベンションの企画・運営、企業イベントのトータルプロデュース、撮影・編集・キャスティングなど多角的な事業領域を展開し、売上や顧客層も大きく広がりを見せていました。
ところが、商談時に「レンタル業者」として誤認されるケースが続き、ブランドと実態の乖離が課題に。今後さらにBtoBの顧客(特に官公庁・教育機関・企業など)と信頼関係を構築していくためには、自社の“本当の姿”を的確に伝えるブランディングが必要でした。

ブランドの再定義と、信頼感ある発信力の構築
プロジェクトのゴールを、次の4点に設定
- Piicが「コンベンション・イベントの企画運営企業」であると明確に認識されること
- 官公庁や法人に対し、信頼感や誠実さが伝わるデザイン・トーンで構築すること
- WEBやパンフレットを通じて、オーガニックでの問い合わせ・受注率を高めること
- 企業の想いや魅力を言語化し、社内外に浸透させるコミュニケーション基盤をつくること

ブランドの再設計から各種クリエイティブまで一貫支援
まず取り組んだのは、Mission・Vision・Value(MVV)の再定義。
Piicの事業が「誰に、何を、どんな価値として提供しているのか」を深掘りし、関係者へのヒアリングや競合調査をもとに導き出したのが、ブランドコンセプト「真面目に寄り添う」でした。
これは、国際会議のような高い緊張感のある現場でも、顧客と伴走しながら丁寧に誠実にプロジェクトを推進していくPiicの姿勢そのもの。このコンセプトを軸に、全てのアウトプットのトーンやデザインを統一しました。
「真面目に寄り添う」というコンセプトと、国際的・公共性の高いプロジェクトに携わる企業であることを踏まえ、グローバル感と誠実さを両立させたビジュアルアイデンティティを構築。
ロゴデザインでは、堅実さの中に柔らかさや余白をもたせ、官公庁からも好印象を持たれるトーンに仕上げました。
WEBサイトは、訪問者がサイトを巡回していく中で、「この会社は何者で、どんな強みがあるのか」が自然と伝わる構成を設計。
- MVVや事業内容、提供価値を順序立てて理解できる構成
- 過去の実績紹介で信頼性とスケール感を訴求
- 写真やインタビューを交え、“人が見える”企業像を表現
BtoBの中でも官公庁や大手企業がターゲットであることから、視認性の高いレイアウトと、情報の信頼性が伝わる文章設計にこだわりました。
ロゴと連動した名刺・封筒・パンフレットも刷新。「ただ渡すだけ」ではなく、会話のきっかけとなるデザインと情報設計を意識しました。パンフレットでは、企業のMVVやサービス事例に加え、社員の想いやプロジェクトへの姿勢も掲載し、より深く“人に任せたい”と思ってもらえる内容に。

ブランド力が整い、受注の質も変化
今回のブランディングプロジェクトによって、Piicは「レンタル業者」から「イベント・コンベンションの運営会社」という本来の姿で市場に認識されるように変化。
特にWEBやパンフレットを通じて、初回接点の時点で会社の全体像や強みが伝わる設計にしたことで、商談時の説明コストが減少し、より本質的な提案に時間を使えるようになりました。
ブランドコンセプト「真面目に寄り添う」は、社内にも浸透しつつあり、採用・営業・広報すべてのコミュニケーションに共通言語として活用されています。