
採用活動において、自社の採用ページは求職者との重要な接点となりますが、ただ公開するだけでは応募数の増加にはつながりません。
多くの求職者は検索エンジンを通じて情報を探しており、自社の採用ページが検索結果の上位に表示されなければ、目に触れる機会さえ得られないからです。
そこで不可欠となるのがSEO対策です。
本記事では、採用活動を成功させるために不可欠なSEO対策について、その重要性から具体的な手法までを網羅的に解説し、応募者を効果的に増やすための道筋を示します。

Index
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なぜ今、採用サイトにSEO対策が重要視されているのか
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採用サイトにSEO対策を導入する4つのメリット
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広告費を抑えながら継続的な応募者獲得が期待できる
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企業の文化や魅力を深く伝え採用ミスマッチを防ぐ
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作成したコンテンツが企業の永続的な資産になる
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企業名で検索された際に公式サイトが上位に表示されやすくなる
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採用サイトで実践すべき具体的なSEO対策10選
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【キーワード】求職者が検索する言葉をタイトルや見出しに含める
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【コンテンツ】他社にはない独自の情報を発信し記事を充実させる
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【内部構造】関連ページをリンクで繋ぎユーザーの回遊性を高める
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【モバイル対応】スマートフォンでの表示を最適化する
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【表示速度】画像のファイルサイズを圧縮して読み込みを速くする
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【alt属性】画像の内容を説明するテキストを設定する
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【SSL化】サイト全体の通信を暗号化して安全性を確保する
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【Googleしごと検索】構造化データを用いて求人情報を正しく伝える
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【ユーザビリティ】誰にでも読みやすい文字サイズを意識する
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【情報更新】定期的にコンテンツを見直し最新の状態に保つ
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採用サイトのSEOを進める上で知っておきたい注意点
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効果が現れるまでには一定の時間がかかることを理解する
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サイトを公開するドメインの選び方は慎重に検討する
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応募フォームへの導線を分かりやすく設計する
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まとめ
なぜ今、採用サイトにSEO対策が重要視されているのか
現代の求職者は、情報収集の主要な手段として検索エンジンを利用しています。
例えば、特定の職種や地域名、あるいは企業名と合わせて「求人」というキーワードで検索するケースが非常に多く見られます。
もし自社の採用ページがこれらの検索結果で上位に表示されなければ、どんなに魅力的なコンテンツを持っていても求職者の目に触れることはありません。
結果として、せっかく作成した採用サイトがアクセスされずに埋もれてしまい、応募の機会を逃してしまうことになります。
そのため、費用をかけて採用サイトを制作したとしても、適切なSEO対策を施さなければ、その効果は限定的になってしまいます。
GoogleやYahoo!といった検索エンジンの上位に表示されるようSEO対策を行うことは、求職者へ自社採用サイトへの訪問を促し、求人応募の機会を逃さないために必須の施策と言えます。
採用サイトにSEO対策を導入する4つのメリット
採用活動において採用ページへのSEO対策は、単なる集客にとどまらない多様なメリットをもたらします。
以下では、具体的な4つのメリットを解説します。
広告費を抑えながら継続的な応募者獲得が期待できる
求人サイトへの掲載やリスティング広告は、短期間で応募者を集める効果が期待できる一方で、高額な費用がかかることが課題です。
例えば、大手求人サイトの掲載料金は高額であり、リスティング広告ではクリック単価が数千円から1万円を超えるキーワードも存在します。
しかし、SEO対策によって自社の求人情報が検索エンジンの上位に表示されれば、クリック数や応募数に応じて費用が発生しないため、広告費を大幅に削減することが可能です。
SEOは時間と手間を要するものの、一度上位表示されれば長期的に安定した集客が見込めるため、費用対効果の高い求人戦略となります。
自社でSEOを行う場合、コンテンツ制作のための人件費のみで始められ、Web広告よりも低コストで求職者を集客できるでしょう。
企業の文化や魅力を深く伝え採用ミスマッチを防ぐ
採用サイトでは、企業の文化や働き方、社員の声などを自由に表現できるため、求人広告では伝えきれない深い情報を発信できます。これにより、求職者は選考フローに進む前に企業のリアルな姿を理解し、入社後のミスマッチを防ぐことが可能です。
企業理念やビジョンはもちろん、オフィス風景や社内イベントの写真、実際に働く社員のインタビュー記事などを掲載することで、求職者は「この会社で本当に働きたいか」を具体的にイメージできます。
企業サイトと採用サイトのメッセージを連動させることで、求職者は企業の価値観を深く理解し、自身が企業にフィットするかどうかを判断しやすくなるでしょう。
このように、採用サイトは求職者にとって有益な情報を提供し、入社後の満足度を高める上で重要な役割を担っています。
作成したコンテンツが企業の永続的な資産になる
採用サイトで作成したコンテンツは、一度公開すれば企業の永続的な資産となります。
求人広告のように掲載期間に制限があるものとは異なり、SEO対策を施したコンテンツは、検索エンジンの評価を受け続ける限り、半永久的に求職者の目に触れる機会を持ち続けます。
例えば、企業サイトのブログ記事として社員インタビューやプロジェクト事例などを掲載すれば、企業の魅力や働く環境を多角的にアピールでき、それが企業の財産として蓄積されていくのです。
これらのコンテンツは、将来的な採用活動においても活用できるだけでなく、企業ブランディングにも貢献し、企業の価値向上にも寄与します。
企業名で検索された際に公式サイトが上位に表示されやすくなる
採用サイトにSEO対策を行うことで、企業名で検索された際に自社の公式サイトが検索結果の上位に表示されやすくなるというメリットがあります。
求職者が企業の存在を何らかの形で知り、興味を持った際に「〇〇(企業名)採用」や「〇〇(企業名)求人」といったキーワードで検索することがよくあります。
この際、公式サイトが上位に表示されれば、求職者は迷うことなく正確な情報にたどり着くことができ、応募へとつながる可能性が高まります。
逆に、公式サイトが上位に表示されないと、求職者は別の情報源を探しに行くことになり、機会損失につながりかねません。
企業サイトのSEO対策は、潜在的な応募者を確実に自社の採用情報へ導く上で非常に重要です。
採用サイトで実践すべき具体的なSEO対策10選
採用サイトの効果を最大化し、より多くの応募者を集めるためには、戦略的なSEO対策が不可欠です。
ここでは、採用サイトで実践すべき具体的なSEO対策を10項目に分けて解説します。
【キーワード】求職者が検索する言葉をタイトルや見出しに含める
採用サイトのSEO対策において、最も基本的ながら重要なのがキーワードの選定と配置です。
求職者がどのようなキーワードで求人情報を探しているのかを理解し、それらのキーワードをページのタイトルや見出し、本文に含めることが重要です。
例えば、「職種名+地域名+求人」や「企業名+採用」といった具体的なキーワードを盛り込むことで、検索エンジンはページのテーマを正確に認識し、関連性の高い検索結果で表示されやすくなります。
タイトルは検索結果でのクリック率にも影響するため、簡潔かつ魅力的な設定を心がけましょう。
また、各職種や部署ごとに詳細な情報を記載したページを作成し、それぞれのページに適切なキーワードを設定することで、より具体的なニーズを持つ求職者にもアプローチできます。
【コンテンツ】他社にはない独自の情報を発信し記事を充実させる
求人情報を単に羅列するだけでなく、求職者が本当に知りたいと思うような独自のコンテンツを発信することが重要です。
例えば、社員インタビューや座談会、一日の仕事の流れ、部署の紹介、社内イベントの様子など、企業のリアルな雰囲気を伝える記事は、求職者の興味を引きます。
他社にはない独自の視点や情報を盛り込むことで、コンテンツの質を高め、検索エンジンからの評価も向上します。
質の高いコンテンツは、求職者にとっての満足度を高めるだけでなく、企業の信頼性や魅力を伝えるブランディング効果も期待できます。
また、定期的にコンテンツを更新することで、サイトの鮮度を保ち、検索エンジンからの評価を維持することにもつながるでしょう。
【内部構造】関連ページをリンクで繋ぎユーザーの回遊性を高める
採用ページ内の関連するページを相互にリンクで繋ぐことは、ユーザーの利便性を高めるだけでなく、検索エンジンからの評価向上にも繋がります。
例えば、募集職種一覧から各職種の詳細ページへ、さらに社員インタビューや企業文化を紹介するページへとリンクを設置することで、ユーザーは興味のある情報を深掘りしやすくなります。
このようにサイト内の回遊性を高めることで、ユーザーの滞在時間が長くなり、結果として検索エンジンからの評価も向上します。
また、パンくずリストを設置することで、ユーザーは現在閲覧しているページの位置を把握しやすくなり、サイト全体の構造を検索エンジンに正しく伝えることが可能です。
【モバイル対応】スマートフォンでの表示を最適化する
現代の求職者の多くはスマートフォンで採用ページを閲覧するため、モバイル対応は必須のSEO対策です。
スマートフォンでの表示が最適化されていないサイトは、読み込みに時間がかかったり、レイアウトが崩れたりして、ユーザーが離脱してしまう可能性が高まります。
Googleもモバイルフレンドリーなサイトを高く評価しており、検索順位にも影響を与えます。
具体的には、レスポンシブデザインを採用し、画面サイズに合わせて自動的にレイアウトが調整されるようにすることや、ボタンやリンクのタップしやすさ、文字サイズの調整などが挙げられます。
スマートフォンユーザーにとって使いやすい採用ページにすることで、機会損失を防ぎ、応募へと繋げることが可能です。
【表示速度】画像のファイルサイズを圧縮して読み込みを速くする
採用ページの表示速度は、ユーザー体験に直結する重要な要素です。
表示速度が遅いと、ユーザーはストレスを感じて離脱してしまう可能性が高まります。
特に画像が多い採用ページでは、画像のファイルサイズが大きいと表示速度が大幅に低下する原因となります。
そのため、画像のファイルサイズを圧縮し、Web表示に最適な形式で保存することが重要です。
また、画像を遅延読み込み(LazyLoad)させることで、ページの表示速度をさらに向上させることができます。
表示速度の改善は、ユーザーの離脱率を低下させ、サイトの回遊性を高めるだけでなく、検索エンジンからの評価向上にも繋がる重要なSEO対策です。
【alt属性】画像の内容を説明するテキストを設定する
採用ページの画像には、その内容を説明する「alt属性(代替テキスト)」を設定することが重要です。
alt属性は、画像が表示されない環境(例:視覚障がい者がスクリーンリーダーを利用する場合)で、画像の代わりに表示されるテキストです。
また、検索エンジンは画像を直接認識できないため、alt属性に記述されたテキストを読み込むことで画像の内容を理解します。
alt属性に適切なキーワードを含めることで、画像検索からの流入増加も期待できます。
さらに、画像の読み込みに失敗した場合でも、alt属性によって画像の内容が伝わるため、ユーザーエクスペリエンスの向上にも繋がります。
この対策は、採用ページのアクセシビリティ向上とSEOの両面で効果を発揮します。
【SSL化】サイト全体の通信を暗号化して安全性を確保する
採用ページのSSL化は、サイト全体の通信を暗号化し、ユーザーの個人情報保護とセキュリティを確保するために不可欠なSEO対策です。
SSL化されたサイトはURLが「http://」から「https://」に変わり、ブラウザのアドレスバーに鍵マークが表示されます。
これにより、ユーザーは安全なサイトであることを認識し、安心して個人情報(氏名、連絡先など)を入力できるようになります。
GoogleもSSL化されたサイトを検索順位で優遇しており、非SSL化のサイトは検索順位が下がる可能性があります。
採用ページは個人情報を扱うため、SSL化はユーザーからの信頼を得る上でも極めて重要であり、応募率向上にも繋がるでしょう。
【Googleしごと検索】構造化データを用いて求人情報を正しく伝える
Googleしごと検索は、Google検索結果に直接求人情報を表示する機能であり、採用サイトからの応募者増加に大きく貢献します。
この機能に求人情報を表示させるためには、採用ページのHTMLに「構造化データ」を適切に記述し、求人情報の内容(職種、勤務地、給与など)をGoogleに正確に伝える必要があります。
構造化データを用いることで、採用サイトが検索上位に表示されなくても、Googleしごと検索の上部に求人情報が表示される可能性があります。
Googleしごと検索への対応は費用がかからず、Web広告よりも低コストで求職者へのアピールができるため、積極的に活用すべきSEO対策の一つです。
これにより、アクセス数の向上を見込めるでしょう。
【ユーザビリティ】誰にでも読みやすい文字サイズを意識する
採用ページのユーザビリティを向上させる上で、文字サイズは非常に重要な要素です。
デザイン性を重視するあまり文字が小さすぎると、求職者は内容を読み取るのに苦労し、結果として離脱してしまう可能性があります。
視力の異なる幅広いユーザーがストレスなく情報を読み取れるよう、適切で読みやすい文字サイズを意識しましょう。
一般的には16ピクセルが推奨されており、最低でも12ピクセル以上が望ましいとされています。
適切な文字サイズは、ユーザーの滞在時間を長くし、サイトの回遊性を高めることにも繋がります。
誰にでも使いやすい採用ページは、求職者にとって魅力的であり、応募へのハードルを下げる効果が期待できます。
【情報更新】定期的にコンテンツを見直し最新の状態に保つ
採用ページの情報は常に最新の状態に保つことが重要です。募集中の求人情報が終了している、古い情報が掲載されているといった状況は、求職者に誤解を与え、企業の信頼性を損ねる原因となります。
定期的にコンテンツを見直し、新しい情報への更新や、古くなった情報の削除を行いましょう。特に、募集職種や条件、社員のインタビュー記事などは、変動する可能性があるため注意が必要です。
情報が常に最新である採用ページは、求職者にとって信頼できる情報源となり、応募意欲を高めることに繋がります。また、検索エンジンも定期的に更新されるサイトを評価する傾向にあるため、SEOの観点からもメリットがあります。
採用サイトのSEOを進める上で知っておきたい注意点
採用サイトのSEO対策は、効果的な採用活動のために不可欠ですが、いくつか注意すべき点があります。
これらの注意点を理解しておくことで、より効率的かつ確実に成果を出すことが可能になります。
効果が現れるまでには一定の時間がかかることを理解する
SEO対策は、その効果がすぐに現れるものではありません。
検索エンジンのアルゴリズムがサイトを評価し、検索順位に反映されるまでには、一般的に数ヶ月から半年、場合によってはそれ以上の時間がかかることがあります。
そのため、短期間での効果を期待するのではなく、長期的な視点で継続的にSEO対策に取り組むことが重要です。
効果が出るまでの期間、焦らずにコンテンツの改善や技術的な最適化を地道に進める必要があります。
特に、競合が多いキーワードでの上位表示を目指す場合は、より多くの時間と労力がかかることを理解しておきましょう。
サイトを公開するドメインの選び方は慎重に検討する
採用サイトを公開する際のドメインの選び方は、SEOに大きな影響を与えます。新規ドメインを取得する方法、既存のコーポレートサイトのサブドメインを使用する方法、またはコーポレートサイトのサブディレクトリとして設置する方法などがあります。
既存のコーポレートサイトのサブドメインやサブディレクトリで運用する場合、コーポレートサイトが持つドメインパワー(検索エンジンからの評価)を引き継ぐことができるため、SEO効果が出やすい傾向があります。一方、全く新しいドメインを取得すると、検索エンジンの評価をゼロから積み上げる必要があるため、上位表示されるまでに時間がかかる可能性があります。
企業の状況や既存の企業サイトのSEO状況を考慮し、最も効果的なドメイン構造を選択することが重要です。
応募フォームへの導線を分かりやすく設計する
採用サイトが魅力的で、求職者が「応募したい」と感じても、応募フォームへの導線が分かりにくいと、途中で離脱してしまう可能性があります。応募フォームは、求職者が最終的に行動を起こすための重要な接点であり、その設計には細心の注意を払う必要があります。
具体的には、ページの上下に応募ボタンを配置する、スクロールに追従する固定の応募ボタンを設置する、応募フォームの入力項目を厳選し最短2~3ステップで完了できるようにするなど、求職者が迷わずスムーズに応募できるように工夫しましょう。
また、応募から内定までの選考フローを図解で説明することも、求職者の不安を軽減し、応募へのハードルを下げる効果があります。スマートフォンでの閲覧も考慮し、直感的に操作できるデザインを心がけましょう。
まとめ
採用活動において、自社の採用ページは求職者との重要な接点であり、その集客力を高めるためにはSEO対策が不可欠です。
採用サイトを作成するだけでは、多くの求職者が情報を探す際に利用する検索エンジンの上位に表示されず、応募の機会を逃してしまうことになります。
本記事で解説したように、採用サイトにSEO対策を施すことで、広告費を抑えながら継続的な応募者獲得が期待でき、企業の文化や魅力を深く伝え採用ミスマッチを防ぐことが可能です。
作成したコンテンツは企業の永続的な資産となり、企業名で検索された際に公式サイトが上位に表示されやすくなるというメリットもあります。
キーワードの選定と配置、質の高いコンテンツの作成、内部構造の最適化、モバイル対応、表示速度の改善、Googleしごと検索への対応など、多岐にわたる具体的なSEO対策を実践することで、より多くの求職者に自社の求人情報が届き、応募へと繋がるでしょう。
ただし、SEOの効果が現れるまでには時間がかかることや、ドメインの選び方、応募フォームへの導線設計など、いくつかの注意点も理解しておく必要があります。
これらの点を踏まえ、戦略的にSEOを進めることで、採用活動を成功に導くことができるでしょう。
本記事で解説したポイントを実践することで、自社の採用サイトは強力な集客チャネルへと育ち、持続的な採用成功につながっていきます。
Piicでは、採用サイトの設計からコンテンツ制作、採用ブランディングまでを一貫して支援しています。
「採用ページを強化したい」「SEOを実践したいが進め方に迷っている」といったお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
