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細田 侑花

採用イベントとは?企業が企画を成功させるポイントを徹底解説|株式会社Piic

採用イベントとは?

採用イベントは企業の採用活動において求職者と直接的な接点を持ち自社の魅力を伝えるための重要な機会です。効果的な採用イベントを企画実行することは母集団形成や入社意欲の向上に大きく貢献します。

この記事では採用イベントの基礎知識から目的別の種類企画を成功させるための具体的なステップさらには失敗しないための注意点までを網羅的に解説します。

Index

採用イベントとは?企画する目的と企業側のメリットを解説

採用イベントとは、企業が求職者に対して自社の情報を提供し、相互理解を深めるために開催する催しの総称です。

単なる情報提供の場に留まらず、企業の文化や働く社員の雰囲気を直接伝えることで、求職者の入社意欲を高める役割を担います。

ここでは、採用イベントとは具体的にどのような目的を持ち、企業にとってどのようなメリットがあるのかを詳しく見ていきます。

採用イベントの目的は母集団形成から入社意欲の向上まで多岐にわたる

採用イベントの目的は、採用フローの段階に応じて様々です。
初期段階では、まず自社を知ってもらい、興味を持ってもらうことで応募者の母集団を形成することが主な目的となります。

選考が進むにつれて、具体的な事業内容や仕事のやりがいを伝え、企業への理解を深めてもらうフェーズに移ります。
さらに、社員との交流を通じて社風や働く環境のリアルな姿を見せることで、求職者の志望度を高め、入社意欲の向上を図ることも重要な目的です。

最終的には、これらのプロセスを通じて入社後のミスマッチを防ぎ、定着率を高めることへとつなげていきます。

企業が採用イベントを企画する3つのメリット

企業が採用イベントを企画することには、主に3つのメリットが存在します。
第一に、求職者と直接コミュニケーションを取れる点です。Webサイトや求人票だけでは伝わりきらない会社の雰囲気や社員の人柄を、対話を通じてリアルに伝えられます。

第二に、自社の魅力を効果的にアピールできることです。プレゼンテーションや座談会といった形式を通じて、事業のビジョンや独自の強みを深く、そして多角的に訴求できます。

第三に、採用ブランディングの強化です。独自性のあるイベントは参加者の印象に残りやすく、SNSなどでの拡散も期待できるため、企業の認知度やイメージ向上に貢献します。

【目的別】採用イベントの種類とそれぞれの特徴

採用イベントには、大規模な合同説明会から、特定の学生を対象としたインターンシップまで多種多様な形式が存在します。

どのイベントを選択するかは、「多くの学生に広く自社を知ってほしい」「特定のスキルを持つ人材と深く話したい」といった採用の目的によって異なります。

自社の採用課題やターゲットに合わせて最適なイベント形式を選ぶことが、採用成功への第一歩です。

多くの求職者に会える合同企業説明会

合同企業説明会は、多くの企業が同じ会場に集まり、ブース形式で求職者に自社の説明を行うイベントです。

最大のメリットは、短時間で非常に多くの求職者と接点を持てる点にあり、特に企業の知名度を上げたい場合や、幅広い層にアプローチして母集団形成を行いたい場合に有効です。

一方で、一人の求職者と話せる時間は限られており、深いコミュニケーションを取りにくいという側面も持ち合わせています。

他社との差別化を図るためには、ブースの装飾や配布する資料、プレゼンテーションの内容に工夫を凝らし、参加者の興味を引くことが求められます。

自社の魅力を深く伝えられる個別企業説明会

個別企業説明会は、自社単独で開催する説明会であり、本社や貸し会議室などで行われます。
この形式の最大の利点は、時間をかけて自社の理念や事業内容、社風などをじっくりと伝えられることです。

特に、自社にある程度興味を持っている求職者が参加するため、より深いレベルでの企業理解を促し、志望度を高める効果が期待できます。
新卒採用においては、企業のビジョンやキャリアパスを具体的に示すことで、学生が入社後の働き方をイメージしやすくなります。

コンテンツの自由度も高いため、会社見学や若手社員との交流会などを組み込み、独自の魅力を最大限にアピールできます。

相互理解が深まる座談会や社員交流会

座談会や社員交流会は、求職者と社員が少人数のグループで、より近い距離で対話できるイベントです。
説明会のような一方的な情報提供ではなく、双方向のコミュニケーションが中心となるため、求職者は気軽に質問をぶつけることができます。
これにより、普段は聞きにくい給与や福利厚生、職場の人間関係といったリアルな情報を得られ、企業への理解と信頼が深まります。
企業側にとっても、求職者の人柄や価値観を直接知る良い機会となり、ペーパーテストや形式的な面接だけでは分からない側面を見極めることが可能です。

仕事内容への理解を促すインターンシップや職業体験

インターンシップや職業体験は、参加者が実際の職場に入り、具体的な仕事の一部を体験するプログラムです。

このイベントの主な目的は、入社後のミスマッチを未然に防ぐことにあります。

参加者は、業務を通じて仕事内容への理解を深めるとともに、職場の雰囲気や社員との相性を肌で感じ取れます。

企業側は、参加者のスキルやポテンシャル、仕事への適性を時間をかけて見極めることが可能です。

数日間の短期プログラムから数ヶ月にわたる長期のものまで形態は様々で、参加者と企業の双方にとって、より確実なマッチングを実現するための有効な手段となります。

開催場所を選ばないオンラインイベント

オンラインイベントはインターネットを通じて実施される採用イベントの総称で、Web説明会やオンライン座談会などが含まれます。

最大のメリットは地理的な制約がないことです。これにより遠方に住む求職者や海外の留学生など、これまでアプローチが難しかった層にも参加を促すことができます。また、会場費や交通費などのコストを削減できる点も企業にとっては大きな魅力です。

一方で参加者の反応が分かりにくかったり、通信環境によって進行が左右されたりする課題もあります。そのためチャット機能を活用して質問を促すなど、参加者を飽きさせない双方向の工夫が求められます。

採用イベントを成功に導く企画の5ステップ

採用イベントを成功させるためには、行き当たりばったりではなく、戦略的な企画と準備が不可欠です。
採用担当者は、目的の明確化から当日の運営、そしてイベント後のフォローまで、一連の流れを計画的に進める必要があります。

  • ステップ1:目的とターゲットを明確にする
  • ステップ2:参加者が満足するコンテンツを設計する
  • ステップ3:ターゲットに届く集客方法を選ぶ
  • ステップ4:当日のスムーズな運営体制を整える
  • ステップ5:応募につなげるフォローと効果測定を行う


ここでは、採用担当が行うべき企画のプロセスを5つの具体的なステップに分けて解説し、効果的なイベント実現に向けた道筋を示します。

ステップ1:誰に何を伝えたいか目的とターゲットを明確にする

採用イベント企画の最初のステップは、目的とターゲットを具体的に定義することです。
まず、「母集団を形成したいのか」「特定のスキルを持つ人材の意欲を高めたいのか」といったイベントのゴールを明確にします。
次に、そのゴールを達成するためにアプローチすべき人物像、つまりターゲットを詳細に設定することが重要です。

例えば、新卒採用か中途採用かによって伝えるべきメッセージは大きく異なります。
特に中途採用の場合、即戦力となる経験者層に響くよう、事業の将来性やキャリアアップの可能性、専門性を活かせる環境などを具体的に訴求する必要があります。

目的とターゲットが明確になることで、イベントの方向性が定まり、一貫性のある企画が生まれます。

ステップ2:参加者が満足するイベントコンテンツを設計する

目的とターゲットが定まったら、次はそのターゲットに響くイベントコンテンツを具体的に設計します。
単なる企業説明に終始するのではなく、参加者が「参加してよかった」と感じられるような体験価値を提供することが重要です。
例えば、企業の課題解決をテーマにしたグループワークや、製品・サービスの開発秘話を語るセッション、社員の1日のスケジュールを追う動画コンテンツなどが考えられます。
参加者が能動的に関われる要素を取り入れることで、一方的な情報提供に比べて記憶に残りやすく、企業への興味関心を格段に高めることが可能です。
コンテンツは、ターゲットが何を知りたいか、何に興味を持つかという視点から設計することが求められます。

ステップ3:ターゲットに確実に情報を届ける集客方法を選ぶ

魅力的なコンテンツを企画しても、ターゲットにその情報が届かなければ意味がありません。
集客はイベントの成否を左右する重要な要素であり、ターゲット層が普段利用しているメディアやチャネルを的確に選ぶ必要があります。

例えば、新卒向けであれば就活情報サイトや大学のキャリアセンターとの連携、SNSでの情報発信が有効です。
一方、専門職の中途採用であれば、業界特化型の求人サイトや技術者向けのコミュニティ、社員紹介(リファラル)などが効果を発揮します。

複数の媒体を組み合わせ、イベント開催の数週間前から計画的に告知を行い、ターゲット層へのリーチを最大化することが大切です。
告知文では、参加することで何を得られるのかというメリットを明確に伝え、参加意欲を喚起します。

ステップ4:当日のスムーズな進行に向けた運営体制を整える

イベント当日の運営がスムーズに行えるかどうかは、参加者の満足度に直結します。
そのためには、事前の準備と体制づくりが欠かせません。

まず、司会進行、受付、参加者の誘導、機材操作、質疑応答の対応といった役割を明確に分担し、それぞれの担当者を決めます。
特に、採用担当だけでなく現場で働く社員にも協力してもらう場合は、事前にイベントの趣旨や各自の役割を十分に説明し、共通認識を持っておくことが重要です。

当日のタイムスケジュールを作成し、リハーサルを行って全体の流れや時間配分を確認しておくと、予期せぬトラブルにも冷静に対処できます。
参加者を待たせない、迷わせないための丁寧な案内と進行が、企業の印象を良くします。

ステップ5:応募につなげるための参加者フォローと効果測定を行う

採用イベントは開催して終わりではなく、その後のフォローが応募という成果に結びつきます。イベントで高まった参加者の意欲が冷めないうちに、迅速なアクションを起こすことが肝心です。

具体的には、イベント終了後24時間以内に参加へのお礼メールを送り、その中でアンケートへの協力依頼や、今後の選考プロセスの案内を記載します。アンケートで得た回答やイベント中の質疑応答の内容をもとに、個々の参加者に合わせた情報提供を行うなど、パーソナライズされたフォローは特に効果的です。

また、採用担当者は参加人数やアンケートの満足度、イベントからの応募率などを数値で把握し、今回のイベントの効果を測定して次回の改善に活かす視点を持つ必要があります。

採用イベント企画を成功させるための3つのポイント

採用イベントの基本的な企画ステップに加えて、他社と差別化し、参加者の満足度を最大化するためにはいくつかの重要なポイントがあります。
ありふれた説明会で終わらせないための工夫や、企業のリアルな魅力を伝える仕掛けが、採用成功の確率を大きく左右します。
ここでは、企画を一段上のレベルに引き上げるための3つのポイントを解説します。

ポイント1:参加者の記憶に残るユニークな企画を盛り込む

多くの企業が採用イベントを実施する中で、参加者の印象に残るためには、ありきたりな内容から脱却したユニークな企画が効果的です。

例えば、自社の製品やサービスを使ったワークショップを開催したり、普段は入れない開発現場やオフィスを巡るツアーを実施したりするなど、その企業でしか体験できないコンテンツを用意します。

また、ランチや軽食を取り入れ、リラックスした雰囲気で社員と交流できる場を設けるのも良い方法です。

こうした「楽しい」「面白い」というポジティブな体験は、参加者の記憶に強く残り、企業に対する好意的な感情を育むことにつながります。

ポイント2:企業のリアルな雰囲気が伝わる社員参加型のコンテンツを用意する

求職者が採用イベントで最も知りたいことの一つが、社内の雰囲気や実際に働く人々の姿です。
採用担当者だけの説明では、どうしても企業の「公式見解」になりがちで、リアルな魅力が伝わりにくい側面があります。
そこで、若手からベテランまで、様々な部署や職種の社員が参加するコンテンツを企画することが非常に重要です。
パネルディスカッションや座談会で、社員が自らの言葉で仕事のやりがいや大変だった経験、キャリアについて語ることで、参加者は企業の等身大の姿を理解できます。
社員の率直な言葉は求職者の共感を呼び、信頼関係の構築に役立ちます。

ポイント3:参加者アンケートを実施して次回の企画に活かす

採用イベントを一度きりの施策で終わらせず、継続的に改善していくためには、参加者からのフィードバックが不可欠です。

イベント終了後にアンケートを実施し、内容の満足度や運営のスムーズさ、どのコンテンツが特に印象に残ったかなどを具体的に尋ねます。

「もっとこんな話が聞きたかった」「この部分の説明が分かりにくかった」といった意見は、次回の企画を練る上での貴重な財産となります。

収集したデータを分析し、良かった点は継続し、課題点は改善するというPDCAサイクルを回すことで、イベントの質は着実に向上していきます。

参加者の声を真摯に受け止め、反映させる姿勢も、企業の好印象につながります。

採用イベント企画で陥りがちな失敗例と対策

採用イベントの企画には多くの時間と労力がかかりますが、計画や準備が不十分だと期待した成果を得られないことがあります。
よくある失敗のパターンを事前に把握し、適切な対策を講じることで、採用活動におけるリスクを最小限に抑えることが可能です。
ここでは、企画担当者が陥りがちな3つの失敗例と、それを回避するための具体的な方法について解説します。

失敗例1:集客がうまくいかず目標人数に達しない

イベントで最もよくある失敗の一つが、想定していた参加者が集まらないことです。
原因としては、告知期間が短すぎる、ターゲット層に合わない媒体で告知している、イベントのタイトルや内容に魅力がない、などが挙げられます。

この対策として、まずイベントの企画と同時に集客計画を立て、ターゲットが利用するであろう複数のチャネル(就活サイト、SNS、大学など)で、なるべく早い段階から告知を始めることが重要です。
また、告知文には「参加することで何が得られるのか」というメリットを具体的に示し、参加者の興味を引きます。
開催日が近づいたらリマインドメールを送るなど、継続的なアプローチで参加率を高める工夫も必要です。

失敗例2:一方的な企業説明だけで参加者の満足度が低い

企業側が話したいことだけを一方的に伝え続けるイベントは、参加者にとって退屈な時間となりがちです。
スライドを読み上げるだけの説明や、専門用語ばかりのプレゼンテーションでは、企業の魅力は伝わらず、参加者の満足度は低くなってしまいます。

これを防ぐためには、企画段階から「参加者視点」を徹底することが大切です。
参加者が何を知りたいのかを事前にリサーチし、質疑応答の時間や社員との座談会など、双方向のコミュニケーションが生まれるコンテンツを必ず盛り込みます。
参加者が主役になれるようなグループワークなどを取り入れることも、満足度とエンゲージメントを高める上で非常に効果的です。

失敗例3:イベント後のフォローが不十分で応募につながらない

せっかくイベントで参加者の入社意欲を高めても、その後のフォローが遅れたり、不十分だったりすると、熱意は時間とともに薄れ、応募という行動には結びつきません。
イベントを開催したことに満足してしまい、その後のアクションをおろそかにするのは典型的な失敗例です。

対策としては、イベント終了後、可能な限り早く(できれば当日か翌日中に)お礼のメールを送ることが基本です。
その際、今後の選考ステップや個別面談の案内を添えることで、次のアクションを促します。
採用担当は、アンケート内容やイベント中の会話から得た情報を元に、個々の参加者に合わせたアプローチを心がけ、関係性を継続的に構築していく必要があります。

よくある質問

Q1.採用イベントの企画はいつから始めるべきですか?

A1.イベントの規模にもよりますが、一般的には開催日の2〜3ヶ月前から準備を始めるのが理想的です。特に、会場の予約や社内協力者のスケジュール調整が必要な場合は、早めに動き出す必要があります。集客期間も考慮し、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。

Q2.イベントの参加率を上げるコツはありますか?

A2.魅力的なコンテンツを企画することはもちろん、申し込み者への定期的なリマインドが効果的です。開催の1週間前や前日に、イベント内容の詳細や参加する社員の紹介などを盛り込んだメールを送ることで、参加意欲を再燃させ、当日のキャンセルを防ぎます。

Q3.オンラインとオフライン、どちらのイベントが良いですか?

A3.それぞれにメリットがあるため、目的やターゲットによって使い分けるのが最適です。広く母集団形成をしたい場合はオンライン、企業文化を深く伝えたい、参加者の人柄を見たい場合はオフラインが向いています。両方を組み合わせたハイブリッド開催も有効な手段です。

Q4.イベント当日に社員に協力してもらう際の注意点は?

A4.協力してもらう社員には、事前にイベントの目的、ターゲット、そして各自に期待する役割を明確に伝えておくことが重要です。求職者からどのような質問が想定されるかを共有し、回答内容にばらつきが出ないようにすり合わせを行っておくと、よりスムーズな運営ができます。

Q5.イベントの費用対効果はどのように測れば良いですか?

A5.イベントにかかった総費用(会場費、人件費、広告費など)に対し、どれだけの成果があったかを測ります。成果の指標としては、参加者数、アンケート満足度、イベントからの応募者数、そして最終的な内定承諾者数などが挙げられます。これらの数値を継続的に記録し、分析することが重要です。

まとめ

採用イベントを成功させるためには、まず目的とターゲットを明確に定め、その上で参加者視点に立った魅力的なコンテンツを企画することが不可欠です。

合同説明会やインターンシップ、オンラインイベントなど、多様な形式の中から自社の目的に合った最適な手法を選択します。当日の運営体制を整えるだけでなく、イベント後の迅速なフォローアップと効果測定を行い、次回の企画へとつなげるPDCAサイクルを回していくことが、継続的な採用力の強化につながります。

参加者との双方向のコミュニケーションを重視し、企業のリアルな姿を伝えることが、最終的な採用成功の鍵となります。

採用イベントは、単なる説明会ではなく、自社の魅力を候補者に伝え、共感を得る重要な機会です。参加者との双方向のコミュニケーションを重視し、企業のリアルな姿を伝えることが、最終的な採用成功の鍵となります。

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