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白石 真衣

【中途採用のおすすめ採用時期】求人が多い時期と少ない時期は?最適な採用スケジュールをご紹介

中途採用のおすすめ時期】求人が多い時期と少ない時期は?最適な採用スケジュールをご紹介

中途採用とは、企業のニーズに合わせて不定期に行われる採用活動ですが、成功させるためには「いつ」動くかが重要です。
市場には、求職者の活動が活発化し求人が増える時期と、比較的動きが少ない時期が存在します。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社の状況に合わせたスケジュールの策定が欠かせません。

この記事では、中途採用におすすめの時期や年間のトレンドを解説し、最適な採用活動の進め方を紹介します。

Index

中途採用市場の年間トレンド|企業と求職者の動きを解説

中途採用市場の動向は、企業側の求人活動と求職者側の転職活動という2つの動きが合わさって形成されます。
企業の求人数が増える時期と転職希望者が活発に動く時期には、ある程度の傾向が見られます。

例えば、新年度や下半期に向けて人員を確保したい企業側のニーズと、ボーナス支給後や区切りの良いタイミングで転職を考える求職者側の動きが重なる時期は、市場全体が活発化します。

企業の求人活動が活発になる時期

企業の求人活動は、4月入社と10月入社をターゲットとして活発になる傾向があります。
新年度の事業計画に基づき、4月入社の人員を確保するため、前年の秋頃から求人が増え始め、1月から3月にかけて選考のピークを迎えます。

また、下半期が始まる10月に向けて、夏の賞与支給後の退職者補充や組織改編に伴う増員を目的とした採用活動も活発です。
このため、6月から8月にかけても求人が増える時期となります。
これらのタイミングでは、事業拡大や欠員補充といった企業の明確な採用ニーズが背景にあります。

求職者の転職活動が活発になる時期

求職者の転職活動は、賞与支給のタイミングと年度の区切りに大きく影響されます。
多くの人が現在の勤務先から賞与を受け取ってから退職を考えるため、夏の賞与後の6月から7月、冬の賞与後の12月から2月にかけて応募が増える傾向にあります。

また、新年や新年度といった節目に心機一転、新しい環境での就業を目指す人も多く、1月から3月は年間で最も転職活動が活発化する時期です。
大手企業の採用活動の動向も影響し、就職市場全体の動きに合わせて応募を決める求職者も見られます。

【時期別】中途採用が活発になる3つのタイミング

中途採用の市場には、特に活動が活発な時期が年に3回あります。
具体的には、新年度を目前にした1月〜3月、夏の賞与後の6月〜7月、そして下半期の始まりに向けて活動が本格化する10月〜11月です。

これらの時期は、求職者も企業も積極的に動くため、多くの出会いが期待できる一方で、採用競合が多いことも特徴です。
それぞれの時期の特性を理解し、戦略的に採用活動を進める必要があります。

1月~3月:新年度に向けて転職希望者が増加する

1月から3月は、中途採用が活発になる時期の一つです。特に1月は、年間で最も中途採用市場が活発になる時期と言えるでしょう。冬のボーナスを受け取り、新年度である4月からの入社を目指して転職活動を始める求職者が増加します。企業側も、新年度の事業計画に沿った人員体制を整えるため、採用活動を本格化させます。

また、年度末で退職する社員の欠員補充も重なるため、求人数が大きく増加する傾向にあります。 即戦力を求める企業のニーズと、新しい環境でキャリアをスタートさせたい求職者の意欲が合致し、市場全体の動きが非常にダイナミックになるのがこの時期の特徴です。

6月~7月:夏の賞与後に活動を開始する層が増加する

夏の賞与が支給される6月から7月も、中途採用が活発になるタイミングです。
賞与を受け取ってから現在の会社を退職しようと考える人が多く、この時期から本格的に転職活動を開始する傾向が見られます。
また、上半期の業績評価や昇給の結果を受けて、自身のキャリアを見つめ直し、新たな挑戦を考える層も動き出します。

企業側にとっては、4月に入社した新入社員の研修が一段落し、採用担当者が中途採用に注力しやすくなる時期でもあり、10月入社をターゲットとした採用活動が本格化します。

10月~11月:下半期のスタートを機に転職を検討する

下半期が始まる10月は採用市場が活発になる傾向があります。企業は下半期の事業計画達成に向けて、組織体制の強化や欠員補充を目的とした採用を強化することが考えられます。求職者側では、年内に転職先を決定したいという思いから活動を本格化させる人が増えます。夏の賞与後に転職活動を始めた層の選考がピークに達するのもこの時期です。

さらに、翌年の4月入社を見据えて早めに動き出す優秀な人材を獲得しようと、採用活動を開始する企業も現れ始め、市場に多様な求人が出回ります。しかし、dodaのデータによると、新規求人数は例年10月が最も増える時期である一方、11月は落ち着く時期とされています。そのため、11月については、新規求人数が落ち着く可能性があることに留意が必要です。

採用活動が活発な時期に求人を出すメリット

採用市場が活発な時期に活動する最大のメリットは、多くの転職希望者と出会えることです。
転職を考えている人材が市場に多いため、母集団形成がしやすい状況になります。

多様なスキルや経験を持つ候補者の中から、自社に本当にマッチする人材を見つけられる可能性が高まります。
応募者が順調に集まることで、採用計画もスケジュール通りに進めやすく、目標人数の達成に向けた見通しが立てやすい点も利点です。

多くの候補者から自社に合う人材を選べる

採用活動が活発な時期は、転職市場にいる求職者の絶対数が多いため、求人への応募が集まりやすいという利点があります。
これにより、採用担当者は豊富な母集団の中から、自社の文化や求めるスキルセットに合致した人材をじっくり比較検討できます。
多様なバックグラウンドを持つ候補者が集まるため、当初は想定していなかったような優秀な人材と巡り会う機会も増えます。

応募者が多い状況は、選考基準をぶらすことなく、より客観的で質の高い採用判断を下す土壌となります。

採用計画を予定通りに進めやすい

多くの求職者が活動している時期は、応募者数を確保しやすいため、採用計画をスケジュール通りに進行させやすいメリットがあります。
採用目標人数に対して、応募が集まらずに計画が遅延するというリスクを低減できます。

また、複数の候補者と並行して選考を進めやすいため、面接の日程調整なども効率的に行えます。
採用担当者にとっては、活動のペースを維持しやすく、計画に基づいた戦略的な採用活動を展開できるため、精神的な負担も軽減される傾向にあります。
結果として、採用目標の達成に向けた確実性が高まります。

採用活動が活発な時期に求人を出すデメリット

多くの企業が同時に採用活動を行う活発な時期は、メリットばかりではありません。
求人数が増えるということは、求職者にとって選択肢が増えることを意味し、企業間の人材獲得競争が激化します。
優秀な人材ほど複数の内定を獲得しやすくなるため、自社を選んでもらうための工夫が不可欠です。

また、競争の激化は採用コストの上昇につながる傾向もあり、これらのデメリットを理解した上で対策を講じる必要があります。

他社との人材獲得競争が激しくなる

採用市場が活発な時期は、多くの企業が求人を出すため、優秀な人材の獲得競争が激しくなります。
求職者は複数の企業を比較検討しており、特にスキルや経験が豊富な人材は、同時に複数の内定を得ることも珍しくありません。

そのため、給与や待遇といった条件面だけでなく、企業の魅力や働きがいを伝えきれないと、候補者を他社に奪われてしまうリスクが高まります。
選考スピードの遅れも致命的で、他社が先に内定を出してしまうと、機会損失につながる可能性が大きくなります。

採用にかかるコストが高くなる傾向がある

多くの企業が採用活動を行う時期は、採用にかかるコストが上昇する傾向にあります。
例えば、求人広告媒体では、掲載企業が増えることで広告の露出度が下がるため、より目立つプランやオプションを利用する必要が出てきて料金がかさみます。
人材紹介サービスを利用する場合も、競争環境が激しいため、他社より魅力的な条件を提示する必要に迫られることがあります。

結果として、候補者一人あたりの採用単価が高騰し、予算を圧迫する可能性も考慮しなければなりません。

【時期別】中途採用が落ち着く3つのタイミング

採用活動が活発な時期がある一方、市場全体の動きが比較的穏やかになる時期も存在します。
具体的には、大型連休のある5月、夏季休暇シーズンである8月、そして年末で慌ただしくなる12月です。
これらの時期は、企業も求職者も動きが鈍くなるため、応募数が減少する傾向にあります。

しかし、この閑散期を逆手に取り、競合が少ない中でじっくりと採用活動を進めるという戦略も有効です。

5月:大型連休の影響で転職活動が一時的に停滞する

5月はゴールデンウィークがあるため、採用活動が一時的に落ち着く企業がある一方で、連休明けから転職活動を活発化させる求職者も多く見られます。企業側は、4月に入社した社員の研修やフォローに注力する時期であり、中途採用の優先度が一時的に下がることがあるとされていますが、ゴールデンウィーク明けから中途採用を再開する企業も少なくありません。求職者側も、連休を利用して履歴書や職務経歴書を準備し、連休明けから企業への応募を始める傾向があります。特に、学生(アルバイト)、主婦(パート)、フリーターなどはゴールデンウィーク明けに仕事探しを活発化させる傾向が見られます。また、6月末のボーナス後の退職を考えている中途社員も、この時期から転職活動を本格化させるとされています。

したがって、ゴールデンウィーク中は求職者と企業の動きが一時的に停滞することもありますが、連休明けからの求人数、応募数は増加し、転職市場が活性化する傾向にあります。 マイナビの調査によると、2025年5月の正社員求人件数は2023年平均と比較して157.6%と増加しており、応募数も同様に増加しています。 この時期は、採用の「穴場時期」として、特定の層の採用を狙うチャンスと捉えることもできます。連休明けから徐々に活動を再開する企業や求職者が多いため、この時期は次の動きに向けた準備期間と捉えることもできます。

8月:夏季休暇で企業も求職者も動きが鈍くなる

8月は多くの企業でお盆休みをはじめとする夏季休暇が取得されるため、採用市場全体の動きが鈍化します。
採用担当者や選考を担当する現場の管理職が長期休暇に入ることが多く、書類選考や面接のスケジュール調整が難しくなり、選考プロセスが停滞しがちです。

求職者側も同様に休暇を取得し、レジャーや帰省を優先するため、転職活動のペースを落とす傾向があります。
こうした背景から、企業からの新規求人の公開や、求職者からの積極的な応募は減少し、市場は比較的静かな状態になります。

12月:年末年始の多忙さで採用活動が落ち着く

12月は年末商戦や年末年始の準備により、多くの企業が通常業務で非常に多忙になる時期です。そのため、採用活動に時間を割くことが難しくなり、一時的に採用活動を中断したり、年明けに再開したりする企業が増える傾向があります。求職者側も、現職の繁忙期と重なることや、忘年会などのプライベートな予定が増えることから、転職活動の優先順位を下げる傾向が見られます。この時期は、市場全体の動きが比較的穏やかになるため、採用の競合が少ない中でじっくりと採用活動を進める「穴場時期」として捉えることも可能です。

採用活動が落ち着く時期に求人を出すメリット

採用活動が落ち着く時期、いわゆる閑散期にあえて求人を出すことには、独自のメリットがあります。
競合となる企業が少ないため、数多くの求人の中に自社の募集が埋もれてしまう心配がありません。
求職者の目に留まりやすくなり、自社の魅力をじっくりと伝えられます。

また、応募者の絶対数が少ない分、一人ひとりの候補者と丁寧に向き合う時間を確保しやすく、相互理解を深めた上での採用が可能になります。

競合が少なく自社の求人が候補者の目に留まりやすい

採用活動が落ち着いている時期は、求人を出している企業が少ないため、自社の求人情報が求職者の目に留まりやすくなります。
多くの求人が掲載される繁忙期には、自社の募集が他の情報に埋もれてしまいがちですが、閑散期であればその心配がありません。
この時期に活動している求職者は、転職意欲が高い層である可能性があり、そうした候補者に対して自社の魅力を効果的にアピールできます。

競合が少ない環境は、候補者がじっくりと企業研究を行う時間的な余裕も生み出し、より深いレベルで自社を理解してもらう機会となります。

応募者一人ひとりとじっくり向き合う時間が作れる

閑散期は応募者の数が限られるため、採用担当者は一人ひとりの候補者に十分な時間をかけて対応できます。
大量の応募書類に追われる繁忙期とは異なり、各候補者の経歴やスキル、自己PRを丁寧に読み込むことが可能です。

面接においても、時間に余裕を持って対話ができるため、候補者の人柄や価値観を深く理解し、自社の文化とのマッチングを慎重に見極められます。
このような丁寧なコミュニケーションは、候補者の企業に対する信頼感を高め、入社意欲の向上にもつながります。

採用活動が落ち着く時期に求人を出すデメリット

採用活動が落ち着く時期はメリットがある一方で、デメリットも存在します。
最大の課題は、転職市場で活動している求職者の絶対数が少ないため、応募者を集める母集団形成に苦労する可能性がある点です。
多くの候補者の中から選びたい企業にとっては、選択肢が限られてしまいます。

また、応募者の総数が少ない分、自社が求める特定のスキルや経験を持つ人材と出会える確率も相対的に低くなるというリスクを伴います。

応募者の母集団形成に苦戦する可能性がある

採用市場が落ち着いている時期は、転職を考えている人の絶対数が少ないため、求人を出しても応募がなかなか集まらないという状況に陥りがちです。
特に、採用目標人数が多い場合や、急いで人材を確保したい場合には、計画通りに採用を進めることが難しくなります。

そのため、従来の求人広告に頼るだけでなく、ダイレクトリクルーティングで候補者に直接アプローチしたり、社員紹介(リファラル採用)を強化したりするなど、より能動的な採用手法を組み合わせる工夫が求められます。
母集団形成の難易度が上がることは、この時期の大きな課題です。

希望するスキルを持つ人材と出会いにくい

応募者の総数が少ない閑散期は、自社が求める専門的なスキルや豊富な経験を持つ人材と出会う機会が限られてしまいます。
市場全体の候補者数が少ないため、その中にピンポイントで求める要件を満たす人材が存在する確率も自然と低くなります。
特に、ニッチな職種やハイスキルなポジションの採用においては、この傾向が顕著に現れる可能性があります。

そのため、採用要件の必須条件と歓迎条件を整理し直したり、ポテンシャルを重視して採用の幅を広げたりするなど、選考基準に柔軟性を持たせる検討も必要になります。

時期に合わせた中途採用を成功させる3つのポイント

中途採用を成功させるには、繁忙期や閑散期といった市場の動向を理解し、それぞれの時期に合わせた戦略を立てることが重要です。
活発な時期にはスピード感を、落ち着いた時期には丁寧なアプローチを意識するなど、メリハリのある活動が求められます。

ここでは、時期ごとの特性を踏まえつつ、通年で重要となるポイントを含めた3つの成功の鍵を紹介します。

繁忙期:選考プロセスを迅速化して機会損失を防ぐ

多くの企業が採用活動を行う繁忙期は、選考スピードが採用の成否を分ける重要な要素となります。
優秀な候補者ほど複数の企業からアプローチを受けており、選考プロセスが滞ると、他社に先を越されてしまう可能性が高まります。

書類選考の結果連絡や面接日程の調整、合否の通知などを可能な限り迅速に行う体制を整えることが不可欠です。
例えば、面接官のスケジュールを事前にブロックしておく、Web面接を導入して日程調整の柔軟性を高めるなどの工夫で、機会損失を防ぐことができます。

閑散期:継続的な情報発信で潜在層にアプローチする

採用活動が落ち着く閑散期は、今すぐの転職は考えていない「転職潜在層」にアプローチする好機です。
競合が少ないこの時期に、自社の事業内容や働く魅力、企業文化などをオウンドメディアやSNSを通じて継続的に発信することで、将来の候補者となる層に自社を認知してもらうことができます。

すぐに直接的な応募につながらなくても、継続的な情報発信は企業ブランディングの向上に寄与します。
地道な活動を通じて自社のファンを増やしておくことが、繁忙期になった際の採用活動を有利に進めるための布石となります。

通年:候補者への連絡はスピーディーに対応する

採用活動の時期に関わらず、候補者への迅速な対応は常に重要です。
応募への返信、面接日程の調整、選考結果の連絡などが遅れると、候補者は「自分は重要視されていないのではないか」と感じ、志望度が低下してしまいます。

特に、面接から内定を出すまでの期間は、候補者の入社意欲が最も高まっているタイミングです。
この時期に丁寧かつスピーディーなコミュニケーションを心がけることで、候補者に安心感を与え、内定承諾率の向上につなげることができます。
誠実な対応は、企業の印象を大きく左右します。

中途採用の基本的な選考フローとスケジュールの立て方

効果的な中途採用を行うには、市場の時期を見極めるだけでなく、自社内の選考フローを明確にし、計画的にスケジュールを立てることが不可欠です。
採用活動は、単に求人を出すだけでは終わりません。

採用計画の策定から始まり、募集、選考、そして内定者フォローに至るまで、一連のプロセスを体系的に管理することで、採用の精度と効率を高めることができます。
ここでは、その基本的なステップを紹介します。

STEP1:採用計画を策定する

中途採用を始めるにあたり、最初に行うべきは採用計画の策定です。
まず、事業計画や現場のニーズに基づき、「どの部署に」「どのようなスキル・経験を持つ人材を」「いつまでに」「何名」採用するのかを具体的に定義します。
この際、求める人物像(ペルソナ)を詳細に設定することで、その後の選考基準が明確になります。

同時に、採用活動にかけられる予算を確保し、求人広告、人材紹介、ダイレクトリクルーティングといった、どの採用チャネルを活用するかも決定します。
この計画が全ての活動の基盤となります。

STEP2:募集要項を作成して求人を掲載する

採用計画が固まったら、次に応募者を集めるための募集要項を作成します。
策定したペルソナに向けて、仕事内容、必要なスキルや経験、労働条件といった基本情報を分かりやすく記載します。
それに加え、企業のビジョンやミッション、社風、チームの雰囲気、働くことの魅力などを具体的に伝えることで、候補者の興味を引きつけ、応募意欲を高めることができます。

完成した募集要項は、STEP1で選定した求人媒体や人材紹介会社などの採用チャネルを通じて公開し、広く募集を開始します。

STEP3:書類選考と面接を実施する

募集を開始し応募が集まったら、選考プロセスに入ります。
まずは履歴書や職務経歴書をもとに、募集要項で定めた要件を満たしているかを確認する書類選考を行います。
書類選考を通過した候補者とは、面接を実施します。

面接は、一次で人事担当者や現場のリーダー、二次で部門責任者、最終で役員というように、複数回に分けて行うのが一般的です。
各段階で見るべきポイントを変え、スキルや経験だけでなく、候補者の価値観や人柄が企業の文化に適合するかを多角的に評価し、ミスマッチを防ぎます。

STEP4:内定を通知して入社手続きを進める

全ての選考プロセスを経て採用したい人材が決まったら、速やかに電話やメールで内定の連絡をします。
その際、給与や役職、入社日といった労働条件を正式に提示し、候補者の入社意思を確認します。
候補者が内定を承諾したら、雇用契約の締結や入社手続きに進みます。

候補者が在職中の場合は、円満に退職できるよう配慮し、必要なサポートを提供することも重要です。
無事に候補者の入社が完了するまで、丁寧なコミュニケーションを継続し、入社への期待感を高めていくことが、採用活動の最後の仕上げとなります。

一般的な中途採用にかかる期間の目安

中途採用にかかる期間は、募集を開始してから内定を出すまで、企業や職種、採用市場の状況によって様々ですが、近年では選考期間が短縮化する傾向にあります。
例えば、「マイナビ 中途採用状況調査2020年版」では、一次面接から内定を出すまでの平均日数は12.3日とされており、これは調査開始以来最短の期間です。特に中小企業の場合、面接回数が平均1.7回と少なく、選考期間は10日前後が目安とされています。

内訳としては、求人掲載から応募が集まり始めるまでに2週間から1ヶ月、書類選考から最終面接までに1ヶ月から1.5ヶ月、内定通知から候補者が承諾するまでに1週間程度かかることもあります。しかし、これはあくまで目安であり、募集する職種の専門性の高さや、採用市場の状況によって期間は大きく変動します。
また、内定者が現職の引き継ぎなどを行うため、内定承諾から実際の入社まではさらに1ヶ月から2ヶ月程度かかるのが一般的です。

採用時期についてよくあるご質問

Q.中途採用は通年で行うべきですか?

A.企業の採用計画や体力によります。継続的に人材を募集する通年採用は、突発的な欠員補充などに対応しやすいメリットがあります。一方で、常に採用活動を行うことは担当者の負担が大きくなるため、繁忙期に集中して行う計画採用と、自社の状況に合わせて使い分けるのが現実的です。

Q.専門職の採用におすすめの時期はありますか?

A.エンジニアやデザイナーなどの専門職は、対象となる人材が限られているため、特定の時期にこだわらず通年で採用活動を行うのが効果的です。業界のカンファレンスやイベントの開催時期に合わせて、候補者と接点を持つ機会を作るなど、時期に依存しないアプローチが重要になります。

Q.内定辞退を防ぐために時期以外で気をつけることは何ですか?

A.選考中の迅速で丁寧なコミュニケーションが最も重要です。また、面接を通じて企業の魅力を十分に伝え、候補者の入社意欲を高めることや、内定後も定期的に連絡を取って不安を解消するフォローアップが効果的です。候補者に「この会社で働きたい」と思ってもらうための継続的な働きかけが欠かせません。

Q.オンライン面接は時期に関係なく有効ですか?

A.はい、非常に有効です。オンライン面接は場所や時間の制約を受けにくいため、遠方の候補者や、在職中で多忙な候補者も参加しやすくなります。選考プロセス全体のスピードアップにもつながるため、採用の繁忙期・閑散期を問わず、積極的に活用することで採用機会の拡大が期待できます。

Q.採用が少ない時期でも応募してくる人材はどのような人ですか?

A.転職への意欲が非常に高い人や、現職の状況から早急に環境を変えたいと考えている人などが考えられます。また、競合が少ない時期を戦略的に狙って、じっくりと企業選びをしたいという人もいます。時期だけで判断せず、一人ひとりの応募者と丁寧に向き合うことで、思わぬ優秀な人材と出会える可能性があります。

まとめ

中途採用の市場には、求職者と企業の動きが活発になる時期と、比較的落ち着く時期が存在します。

一般的に、中途採用市場が活発になる繁忙期としては、1月~2月、6月~7月、9月~10月などが挙げられます。これは、年末の賞与や夏の賞与を受け取った後の転職活動、年度の切り替わりや下半期スタートに向けて企業の採用活動が活発になるためと考えられます。特に1月は、新年を迎え転職意欲が高まる時期であり、求人数と求職者数の両方が増加する傾向が見られます。

一方、動きが落ち着く閑散期としては、4月、5月、8月、12月などが挙げられます。 4月の新卒採用が本格化する時期は、企業の中途採用活動が控えめに、またゴールデンウィークやお盆、年末年始といった長期休暇の時期は、求職者と企業の活動が一時的に停滞する傾向にあります。

繁忙期は多くの候補者と出会える可能性がある一方で採用競争が激しく、閑散期は競争が緩やかですが、母集団形成に工夫が必要です。

それぞれの時期のメリットとデメリットを理解し、自社の採用目標や状況に応じた戦略を立てることが、中途採用を成功に導きます。時期を問わず、候補者への迅速かつ丁寧な対応が、採用活動の基本となります。

時期に合わせた採用戦略と、魅力が伝わる採用サイトの掛け合わせは、中途採用成功の大きな武器になります。
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