排水や悪臭という目に見えにくい環境課題に、微生物と酵素の力で向き合う株式会社スリーケー。自然に近い環境で時間と手間をかけて培養し、製品化されています。同社の排水管洗浄液や消臭除菌剤は、汚れや臭いの原因そのものを分解し、環境を根本から整えるのが特長です。さらに循環型の廃棄事業にも取り組み、滋賀の地域社会を支える同社の挑戦と想いを伺いました。
私たちは、微生物の力を活用したバイオ製品の製造・販売を行っています。排水管洗浄液や部屋干しバイオくんなどの衣類や多目的用の消臭除菌剤といった環境関連製品を作っています。主力製品の排水管洗浄液をはじめ、家庭の掃除において「今すぐ綺麗にしたい」という即効性が求められるのは当然のことです。私たちの製品もそのニーズにしっかりとお応えしながら、さらに一歩踏み込んで、微生物による「汚れの根本的な分解」と「その後の再付着防止」を両立させることを目的とした製品開発を行なっています。一度綺麗にして終わりにするのではなく、微生物が定着することで、良い状態を長く維持する。そうして日常の清掃をより楽に、より快適なものへと変えながら、環境そのものを健やかな状態へと導いていく。この「本質的な環境づくり」こそが私たちの製品づくりに根幹にあります。
バイオ製品は非常にデリケートで、生き物ゆえの扱いづらさもあります。その性質上、容器の膨張や独特な臭いの発生などが課題となるケースもあります。しかし私たちは、そうしたバイオ特有の課題を解消するため、充填前に徹底した安全化プロセスを設けています。「時間」と「手間」を惜しまない姿勢こそが、お客様に安心してお使いいただける品質に繋がると信じています。
製造には、あえて長い時間をかけています。工場の外には約60基のタンクがあり、自然環境に近い状態を再現しながら生菌を培養しており、製品が安定するまでに半年ほど要することもあります。微生物の状態をはじめ、ph値、色、臭気などが厳格な自社基準に収まるまで、決して出荷はしません。微生物という「命」を扱うからこそ、数値による徹底した管理と、熟成を見守る忍耐強さが不可欠なのです。
排水管のトラブルで難しいのは、目に見える入り口付近だけでなく、その先の床下や屋外へと続く排管の奥深くも同様に汚れてしまうことです。こうした手の届かない箇所の洗浄を、ご自身で行うのは容易ではありません。私たちの製品は、微生物が配管内で360度満遍なく行き渡り、付着した有機物をじっくりと分解・剥離していく効果が期待できます。一度の洗浄で終わらせるのではなく、定期的にご使用していただくことで、配管内を良好な「バイオフローラ(微生物の生態系)」で整えていく。いわば、排管内部を良い状態で保つためのメンテナンスのようなイメージです。手の届く範囲を綺麗にするのはもちろん、その先の見えない環境まで健やかに整え、「汚れが溜まりにくい環境」を構築していく。この予防的なアプローチが、私たちの製品の最大の特長です。
消臭には、心地よい香りで包み込む「マスキング」という手法など、さまざまなアプローチがあります。その中で私たちが追求しているのは、微生物の力による「原因物質の分解」です。
例えば、養豚場では、アンモニア以外にも低級脂肪酸などの複数種の物質が、複雑な悪臭の原因になりますが、これらへの対応は非常に専門的な知見を要する課題です。当社の製品には、多様な物質に対応できるよう複合的な微生物が配合されています。すべて自然由来の成分で、環境との調和を図りながら臭いの元へアプローチし、根本解決を目指した消臭です。
はい。私たちは廃棄物リサイクル事業の知見を活かし、循環型の養豚システムを構築しました。
地域の食品工場などから出る余剰食品を回収して飼料へ変換し、豚を育てて出荷する。そして再び発生した食品残りを回収するというサイクルです。滋賀県内でも養豚農家が減少する中、私たちはその施設を引き継ぎ、地域に根差した運営を続けています。自社で養豚の現場を担っているからこそ、悪臭対策がいかに重要で、地域との共生が大切であると身をもって理解しています。そこで私たちは、自社で開発したバイオ消臭剤を実際の飼育現場に導入し、その効果を日々検証しながら、より良い環境づくりを追求しています。
自社で製造しているバイオ消臭剤を、機械で自動制御しながら噴霧しています。夏場など気温や湿度が高い時期は頻度を上げるなど、常に環境を最適化しています。
この消臭剤は豚に直接かかっても安全な成分で作られており、現場の衛生環境を高い水準で維持できています。実際に、施設特有の臭いは大幅に軽減されていると実感しています。
子豚を導入した際は、まず環境に慣れるよう適切なグループに分けて受け入れ、成長具合に合わせて細やかに管理しています。そこから出荷までの期間、一頭一頭の状態を注意深く見守るのが私たちの役目です。餌の配合や環境の整え方ひとつで成長速度は変わりますし、生き物ですので個体差も非常に大きいものです。早く成長する豚もいれば、時間をかけて育つ豚もいますが、それぞれの成長部ベースに合わせて最適な部屋へ移動させるなど、じっくり育てあげています。
日々の管理の中で感じるのは、豚たちの豊かな個性です。人懐っこい子もいれば、少し臆病な子もいる。掃除中に興味津々で近寄ってくる好奇心旺盛な姿を見ていると、本当に性格はさまざまだと実感します。そうした一頭一頭の成長の歩調に寄り添いながら、健やかな環境づくりに励んでいます。
私たちは「人にも環境にも安全で安心して使用できる製品づくり」そして、「自然の力を最大限に活かすこと」を信念としています。目指しているのは、その場限りの対処に留まらず、環境そのものを健やかに整え、持続可能な循環を生み出すことです。その思想は、製品づくりにも養豚事業にも全て地続きで繋がっています。 滋賀という豊かな地で、廃棄物を資源に変え、命を育み、また地域へ還元していく。この「命の循環モデル」をより深化させ、社会全体に貢献していきたいと考えています。
| 企業名 | 株式会社スリーケー |
|---|---|
| 所在地 | 滋賀県蒲生郡日野町西大路1613 |
| 創業年 | 1998年9月1日 |
| 代表者 | 代表取締役会長 岸田千代子 / 代表取締役 岸田善英 |
| 事業内容 | バイオ事業・廃棄物事業 |
| 企業ロゴ | ![]() |