
滋賀県・堅田で話題を集める高級食パン専門店「BREADER(ブレッダー)」。 美しいラインが特徴のオリジナル食パンや、ピスタチオやコーヒーといった個性豊かなジャムとの組み合わせが、多くのファンを魅了しています。今回は、店主であり代表を務める藤井さんに、パンづくりへのこだわりや、地元・堅田への想いについてじっくりと伺いました。
堅田が僕の地元なんです。パン屋をやるならどこか人の多い場所で勝負するという選択肢もあったとは思うんですが、それよりも「地元を盛り上げたい」という気持ちが強くて、僕がやっていることがきっかけで、少しでも堅田に足を運ぶ人が増えたり、地域の人たちが笑顔になるような場所になったら、本当に嬉しいです。
仕事に情熱を注ぐ父の背中を追いながらも将来に迷っていた私が、ちょうど留学でイタリアに滞在していた時のことです。父と一緒にアドリアという街を旅行したんですよね。その旅の中で出会ったのが「チャバタ」っていうイタリアの伝統的なパンでした。表面はカリッと香ばしくて、中は大きな気泡があってもっちり、しっとり。素朴な見た目なのに、一口食べると驚くほど奥深くて。塩をひとつまみ入れた新鮮なオリーブオイルに浸して食べると、本当に何とも言えない優しさが広がるんです。その味わいに、当時感じていた将来への不安とか焦りが、すーっと消えていくような感覚があって。「自分も、こんなふうに誰かの心を動かせるパンを作りたい」って心から思いました。 あのチャバタとの出会いが、パンづくりを目指すきっかけになったんです。
食パンは朝食や軽食など、私たちの日常に自然と寄り添っている存在です。特別な料理ではなくても、どこかホッとする安心感があり、家族との思い出や暮らしの風景にもつながっています。だからこそ、あらためてその魅力を深掘りし、もっと楽しくて新しい可能性を引き出せるのではないかと考えました。身近で親しみがあるからこそ、食パンには無限のアイデアが詰まっていると感じています。
一番こだわっているのは「水」ですね。高島にある超軟水を毎回自分で汲みに行っています。正直大変です(笑)でも、パンは水が命なんです。軟水を使うことで、口当たりが優しく、風味もまろやかになる。滋賀にはいい水があるので、それを活かしたパンを作れるのは、この土地の特権だと思っています。
滋賀って、正直まだ観光地としての知名度はそこまで高くないと思うんです。京都や大阪と比べると、インバウンドもまだまだ少ない。でも、だからこそポテンシャルがあると思っていますし、”滋賀を盛り上げたい”って気持ちを持っている人がすごく多いと感じます。僕もその一人として、飲食という形で滋賀の魅力を伝えていけたらと思っています。
いつかカフェを開きたいと思っていて、できれば琵琶湖が見れる場所がいいなと。パンとスープ、そしてコーヒーを楽しみながら、のんびり過ごせる場所。観光スポットにもなって、地域の人に愛されるような空間を作れたら理想ですね。 その一歩としては、近々「パンとスープのセット」の販売も予定しています。BREADERのパンと相性のいいスープを用意して、もっと気軽に楽しんでいただけるような形にしたいと考えています。これからもBREADERのパンをきっかけに、人が集まる場所を作り続けていきたいです。
企業名 | BREADER |
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所在地 | 滋賀県大津市衣川1-41-7 |
創業年 | 2022年3月19日 |
代表者 | 店主 藤井 僚哉 |
事業内容 | 飲食事業 |
企業ロゴ | ![]() |